青色・水色の宝石まとめ【21石】和名・モース硬度・名前由来・屈折率・特徴解説

青色・水色の宝石を21種類、ピックアップしました。
それぞれの宝石の名前の由来、和名、基本情報(屈折率・分散度・モース硬度)、特徴を解説しています。
- 屈折率⇒高いほど、輝きが強い
- 分散度⇒高いほど、光が分散して、虹色にきらめくファイアが強い
- モース硬度⇒傷のつきにくさ・引っかき傷に対する強さ(10段階中の数値)
動画でも解説しています。

Youtubeチャンネル「ろっくす【宝石・天然石の解説】Gems and Minerals」でも宝石や天然石の解説をしています。
①ブルーサファイア/Blue Sapphire

サファイアは、世界4大宝石に数えられる宝石のひとつです。
カラーストーンを代表する存在でもあります。
サファイアの名前の由来
名前の由来は、ラテン語で青色を意味するサッピルス、ギリシャ語で青色を意味するサピロス。
サファイアの和名
和名は、青玉(せいぎょく)、または、蒼玉(そうぎょく)。
サファイアの基本情報
屈折率 | 1.760-1.770 |
分散度 | 0.018 |
モース硬度 | 9 |
サファイアは、9月の誕生石のひとつです。
サファイアの種類・呼び名を3つ見ていきましょう。
コーンフラワーブルー
コーンフラワー(矢車草)の花の色に似た美しい色のサファイアで、ブルーサファイアの最高級品質とされます。
パキスタンとインドの国境地帯・カシミール地方で産出されるものが有名です。
ロイヤルブルーサファイア
深みのある濃い青色のサファイアで、コーンフラワーブルーと並ぶ、サファイアの最高級品質とされます。
ミャンマーで産出されるものが有名で、イギリス王室がミャンマー産のサファイアに与えた色名です。
イギリス王室御用達。
スターサファイア
スター効果と呼ばれる光の効果が現れたサファイアで、六条の星の模様があります。
スター効果は、針状のインクルージョンが反射する光によって生じます。
②タンザナイト

バナジウムを含み、青から青紫色に発色したゾイサイトがタンザナイトと呼ばれます。
タンザナイトの名前の由来
宝石名は、原産地のタンザニアの名前にちなんで、ティファニー社がつけたもの。
鉱物名と和名
鉱物名はゾイサイト。
和名は、灰簾石(かいれんせき)。
タンザナイトの基本情報
屈折率 | 1.691-1.700 |
分散度 | 0.030 |
モース硬度 | 6-7 |
1967年に発見された宝石。
カラーストーンの中でも、高い人気があります。
③フォスフォフィライト
淡いブルー、青緑色からミントグリーンのものもあるフォスフォフィライト。
レア中のレアな宝石です。
フォスフォフィライトの名前の由来
リンを意味する英語・フォスフォラスと、ギリシャ語で、植物の葉を意味するフィロンをあわせたもの。
フォスフォフィライトの和名
燐葉石(りんようせき)
フォスフォフィライトの基本情報
屈折率 | 1.59-1.62 |
分散度 | 0.012 |
モース硬度 | 3-3.5 |
モース硬度が低くて傷が入りやすく、もろくて欠けやすい性質があります。
ボリビアで発見された石で、レア中のレアといっても過言ではないほど、とても希少な宝石です。。
漫画やアニメの「宝石の国」の主人公の名となった宝石です。
④グランディディエライト

青から青緑色の宝石です。
グランディディエライトの名前の由来
フランスの博物学者であるアルフレッド・グランディディエの名にちなんで付けられたもの。
グランディディエライトの和名
珪酸塩鉱グランディディエ
グランディディエライトの基本情報
屈折率 | 1.583-1.639 |
分散度 | 強い |
モース | 7 |
1902年にマダガスカルで発見されましたが、宝石質のものが発見されたのは、2000年台に入ってからのこと。
2015年11月には、アメリカの経済誌・フォーブスで「世界で3番目に高価な宝石」1カラット250万円と紹介されました。
含有する鉄が多ければ多いほど、青く見えます。
⑤パライバトルマリン

10月の誕生石トルマリンの中でも、ネオンブルーからネオングリーンのトルマリンです。
パライバトルマリンの名前の由来
1987年にブラジルのパライバ州で発見され、その地名をとってパライバトルマリンと呼ばれています。
パライバトルマリンの和名
銅リチア電気石
トルマリンの基本情報
屈折率 | 1.624-1.644 |
分散度 | 0.017 |
モース硬度 | 7-7.5 |
採掘量が少なく、希少性の高さから「幻の宝石」という呼び名もある宝石で、世界三大希少石のひとつに数えられます。
⑥アクアマリン

アクアマリンは、水色の宝石として広く知られています。
3月の誕生石です。
アクアマリンの名前の由来
名前は、ラテン語で水を意味する「アクア」と、海を意味する「マリン」をあわせたもの。
アクアマリンの和名
藍玉(らんぎょく)
水宝玉(すいほうぎょく)
アクアマリンの基本情報
屈折率 | 1.577-1.583 |
分散度 | 0.014 |
モース硬度 | 7.5-8 |
ベリル(緑柱石)の中でも、青い色のものがアクアマリンと呼ばれます。
古くから、船乗りたちのお守りに使われてきました。
海との関係が深く、マーメイドストーン・人魚石と呼ばれることも。
ろうそくの灯りでもキラキラ輝くことから、ヨーロッパの貴族たちはアクアマリンを「夜の女王」と呼びました。
アクアマリンの中でも、深いブルーのものはサンタマリア・アクアマリンと呼ばれ、美しさと希少性から、高価な宝石となっています。
⑦アイオライト

アイオライトは、青みがかったスミレ色をした宝石です。
アイオライトの名前の由来
ギリシア語の「すみれ色」と「石」を組み合わせたもの。
(ギリシア語の“ion(スミレ色)”と“lithos(石))
鉱物名と和名
鉱物名は、コーディエライト。
コーディエライトの中で宝石質のものがアイオライトと呼ばれます。
和名は、菫青石(きんせいせき)です。
アイオライトの基本情報
屈折率 | 1.53-1.57 |
分散度 | 0.017 |
モース硬度 | 7-7.5 |
バイキングたちが羅針盤代わりに使ったという逸話から、「バイキングの羅針盤」という呼び名があります。
ウォーターサファイアと呼ばれることも。
多色性があり、角度を変えて見ると、青や紫から透明に見えることもあります。
日本では、2021年12月に3月の誕生石に加えられた宝石です。
⑧ブルートパーズ

11月の誕生石トパーズの中でも、青色のトパーズ。
トパーズの名前の由来
トパーズの名前の由来は、ギリシャ語で探し求めるという意味の「トパゾス」が語源という説、サンスクリット語で「火」を意味するトパスが語源という説があります。
トパーズの和名
トパーズの和名は、黄玉(おうぎょく)です。
黄色以外にも、カラーバリエーションが豊富な宝石です。
トパーズの基本情報
屈折率 | 1.629-1.637 |
分散度 | 0.014 |
モース硬度 | 8 |
ブルートパーズは、青色の濃さによって、スカイブルー・スイスブルー・ロンドンブルーと、空の色に例えられた名前があります。
⑨ラピスラズリ

古代から青い宝石として崇められてきたラピスラズリ。
世界的ゲーム・マインクラフトにも登場し、子どもたちにも名前がよく知られています。
ラピスラズリの名前の由来
ラテン語で石を意味する「ラピス」、アラビア語で青を意味する「ラズリ」を組み合わせたもの。
ラピスラズリの和名
瑠璃(るり)
ラピスラズリの基本情報
モース硬度は、5-5.5。
最も歴史の古い宝石のひとつで、古くから「聖なる石・天空を象徴する石」として崇められてきました。
主成分はラズライト・きんせいせき(青金石)で、そこにソーダライト、アウイナイト、ノーズライトなど複数の鉱物が混合しています。
12月の誕生石のひとつです。
⑩ブルージルコン

カラーバリエーション豊富なジルコンの中でも、青色のジルコンです
ジルコンの名前の由来
- アラビア語のzaukun(ザルクン・赤を意味する)が由来といわれる説
- 古代ペルシア語のzar(ザル・金を意味する)とgun(グン・色を意味する)の組み合わせという説
があります。
ジルコンの和名
風信子石(ヒヤシンス石)
ジルコンの基本情報
屈折率 | 1.925-1.984 |
分散度 | 0.039 |
モース硬度 | 7-7.5 |
屈折率は数ある宝石の中でもトップレベル。
分散度も高く、輝きが強い宝石です。
光沢も、ダイヤモンドと同じ金剛光沢。
無色透明なジルコンは、ダイヤモンドによく似ています。
ジルコンは、44億年前にできたものが発掘されていて、地球最古の鉱物とされています。
日本では、2021年に12月の誕生石に加えられました。
⑪ブルーフローライト

青色のフローライトです。
フローライトの名前の由来
ラテン語で流れるを意味する「フルール」
フローライトの和名
蛍石(ほたるいし)
フローライトの基本情報
屈折率 | 1.433 |
分散度 | 0.007 |
モース硬度 | 4 |
フローライトは、カラーバリエーションの豊富さがトップクラス。
ブルーフローライトは、落ち着いたクリアブルーから深い青色のフローライトです。
モース硬度は4と低く、傷つきやすい宝石です。
⑫ベニトアイト

輝きが強く、とても希少性が高い宝石です。
ベニトアイトの名前の由来
発見地のアメリカ合衆国・カリフォルニア州・サンベニトにちなんだもの。
ベニトアイトの和名
ベニト石
ベニトアイトの基本情報
屈折率 | 1.757-1.804 |
分散度 | 0.044 |
モース硬度 | 6-6.5 |
1907年に発見された宝石。
高い屈折率を持ち、分散度はダイヤモンドに匹敵するほど輝きが強い宝石です。
※分散度はダイヤモンドと同じ0.044です。
カリフォルニア州サンベニトのディアブロ鉱山でしか採掘されませんが、その鉱山も2005年に閉山してしまいました。
アメリカ三大希少石のひとつに数えられる宝石です。
⑬カイヤナイト

深いブルーが美しい宝石です。
カイヤナイトの名前の由来
ギリシャ語でダークブルーを意味する「カイアノス」が由来です。
カイヤナイトの和名
藍晶石(らんしょうせき)
カイヤナイトの基本情報
屈折率 | 1.715-1.731 |
分散度 | 0.020 |
モース硬度 | 4-7.5 |
深いブルーの宝石で、サファイアと見間違うほどの美しさを持った宝石です。
発色する成分も、鉄とチタンで、ブルーサファイアと同じです。
結晶の方向によって、硬度が異なり、特定の方向に割れやすい性質も持っています。
⑭アウイナイト

アウイナイトは、別名のアウインで呼ばれることもあります。
アウイナイトの名前の由来
フランスの結晶学者、ルネ=ジュスト・アユイの名にちなんだもの。
アウイナイトの和名
藍方石・藍宝石(らんぽうせき)
アウイナイトの基本情報
屈折率 | 1.49-1.51 |
モース硬度 | 5.5-6 |
産出地がドイツのアイフェル地方に限られ、産出量も少ない希少石。
美しい色と透明感・希少石の高さから、人気が高い宝石です。
ラピスラズリを構成する鉱物のひとつです。
⑮ブルーアパタイト

カラーバリエーションが豊富なアパタイト。
その中でも、青いものがブルーアパタイトです。
アパタイトの名前の由来
ギリシャ語で「惑わす・だます」の意味の「アパタオ」。
これは、他の鉱物と見誤ることが多く、混同されてきたことが由来です。
アパタイトの和名
燐灰石(りんかいせき)
アパタイトの基本情報
屈折率 | 1.624-1.646 |
分散度 | 0.013 |
モース硬度 | 5 |
ブルーアパタイトは、さわやかな青・ネオンブルーの色の宝石です。
モース硬度、5の標準鉱物でもあります。
⑯ユークレース/Euclase
ユークレースは、薄い青から濃い青色の宝石。
無色透明や緑色のものもあります。
ユークレースの名前の由来
名前は、ギリシャ語の「簡単に割れる」という意味の言葉が語源です。
和名はありません。
ユークレースの基本情報
屈折率 | 1.652-1.672 |
分散度 | 0.016 |
モース硬度 | 6.5-7.5 |
欠けやすく、非常に割れやすい性質があります。
加工することが難しく、カットされた宝石やジュエリーとなるものは少なく、レアです。
色が美しく、希少性も高い宝石です。
⑰ラリマー

ラリマーは、カリブの空と海の水面のような色と模様がある宝石です。
ラリマーの名前の由来
1974年にドミニカ共和国で発見され、現地の宝石商の娘の名前・ラリッサと、海を意味するスペイン語のマールを組み合わせた名前がつけられました。
鉱物名と和名
鉱物名は、ブルーペクトライト、
和名は、ソーダ珪灰石。
ラリマーの基本情報
屈折率 | 1.60-1.63 |
モース硬度 | 4.5-5 |
ドミニカ共和国の国石で、アトランティスストーン、ドルフィンストーンといった別名もあります。
世界三大ヒーリングストーンのひとつで、愛と平和を象徴する石です。
⑱ターコイズ

宝石の中でも、最も長い歴史をもつもののひとつです。
ターコイズの名前の由来
名前は、トルコ経由でヨーロッパに広がったことから、トルコの石「ターコイズ」と呼ばれた説があります。
ターコイズの和名
トルコ石
ターコイズの基本情報
屈折率 | 1.61-1.65 |
モース硬度 | 5-6 |
数千年も前から、アクセサリーに使われてきた「最も古い宝石」のひとつ。
含む成分に、銅が多いと青みが強く、鉄が多いと緑が強くなります。
アメリカのスリーピングビューティー鉱山から産出される、スリーピングビューティーターコイズが最高級品質とされています。
⑲ブルースピネル
カラーバリエーションが豊富な中でも、青色のスピネル。
スピネルの名前の由来
結晶が八面体で、その先端が尖っていることから、ラテン語で「トゲ」を意味する「スピナ」が由来。
スピネルの和名
尖晶石(せんしょうせき)
スピネルの基本情報
屈折率 | 1.717 |
分散度 | 0.020 |
モース硬度 | 8 |
鉄を多く含み、青く発色したものは「ブルースピネル」、コバルトを多く含み、より鮮やかで濃いブルーのものは「コバルトスピネル」と呼ばれます。
2021年に、8月の誕生石に加えられました。
⑳インディコライト
様々な色があるトルマリンの中で、濃い青色から緑がかった青色のものがインディコライトと呼ばれます。
インディコライトの名前の由来
インディゴとして知られる青い染料が採れる植物の名
インディコライトの和名
藍電気石(あいでんきせき)
インディコライトの基本情報
屈折率 | 1.624-1.644 |
分散度 | 0.017 |
モース硬度 | 7.5 |
※数値はトルマリンのものです
トルマリンの中でも、見る角度によって色が変わって見える「多色性」が強い種類のもの。
インディコライトの中でも、濃い青色のものは特に希少性が高いです。
色のバリエーションが多いトルマリンの中で、パライバトルマリンに次いで高い評価を受けます。
㉑ブルーダイヤモンド

ダイヤモンドは、無色透明の他にもカラーバリエーションがあって、ファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれます。
その中でも、青い色のダイヤモンドがブルーダイヤモンドです。
ダイヤモンドの名前の由来
「征服されざるもの・何よりも強い・無敵」を意味するギリシャ語の「アダマス」が語源
ダイヤモンドの和名
金剛石(こんごうせき)
ダイヤモンドの基本情報
屈折率 | 2.417 |
分散度 | 0.044 |
モース硬度 | 10 |
アメリカ・スミソニアン博物館の中のひとつ、国立自然史博物館所蔵のホープダイヤモンドは、45.52カラットのブルーダイヤモンド。
その大きさ、美しさと逸話から、世界で最も有名な宝石のひとつです。
最後に
今回は、青色・水色の宝石を21石、ピックアップして紹介しました。
宝石や天然石を選ぶ際の参考になれば嬉しいです。
ピックアップした宝石、順番については、私個人の主観によるものです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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