アンダリュサイト(紅柱石)多色性の王様と呼ばれる宝石【和名・石言葉・モース硬度など特徴解説

2023年6月27日

アンダリュサイトのルース4つ・Andalusite・アンダリュサイトの文字・多色性の王様

多色性の王様と呼ばれる宝石「アンダリュサイト」。

見る角度によって色が変わって見える宝石で、色の変化を観察することも楽しいです。

今回は、色の変化が美しい宝石「アンダリュサイト」を紹介します。

アンダリュサイトの名前の由来

アンダリュサイトの名前は、発見地のスペイン・アンダルシア地方の地名にちなんだものです。

アンダルシア地方は、スペインで一番南にある州です。

アンダリュサイトは、アンダルサイトと呼ばれることもあります。

アンダリュサイトの歴史

アンダリュサイトは1789年に発見されました。

アンダリュサイトの和名は「紅柱石」

アンダリュサイトの和名は「紅柱石(こうちゅうせき)」です。

アンダリュサイトの結晶が赤色で、形が長い四角柱の形をしていることに由来します。

アンダリュサイトの特徴:強い多色性

アンダリュサイトは、地色はオレンジや緑っぽい感じです。

ところが、ちょっと角度を変えてみると、オレンジが広がってみえたり、緑が広がって見えたりします。

これがまた、美しいです。

アンダリュサイトの色の変化は「アンダルサイト・ダンス」なんて呼ばれることもあります。

確かに、華麗に踊るように色が変わっていきます。

宝石品質のアンダリュサイトはレアストーン

アンダリュサイトの産出量自体は少ないわけではありません。

しかし、アンダリュサイトはインクルージョン(内包物)が多くて透明度が高い宝石品質のものとなると、その量はグッと少なくなります。

宝石品質でカット・研磨が施されたルースはレアストーンです。

アンダリュサイトは多色性の王様と呼ばれる宝石

アンダリュサイト(紅柱石)のルース・ペアシェイプ

多色性の強い宝石といえば、アイオライトやタンザナイトなども挙げられます。

アイオライトは濃いすみれ色の宝石、タンザナイトは青紫の宝石です。

どちらの宝石も、角度を変えると、色が濃い部分と淡く見える部分があって、ちょっと透明っぽい感じに見えるところもあります。

しかし、アンダリュサイトの色の変化はオレンジ⇒緑、緑⇒オレンジと、まったく別の色に変化します。

アイオライトやタンザナイトは、色の濃淡・同じ色の系統の多色性なのに対し、アンダリュサイトはオレンジ系とグリーン系の色が移り変わります。

この色の変化が本当に美しくて、「多色性の王様」と呼ばれるのもうなづけます。

多色性が強いだけに、カットと研磨は難しい

アンダリュサイトは多色性が強いですが、その多色性を活かすためには、高度なカットの技術が必要と言われます。

そして、研磨も多色性が美しく見えるように気をつけないといけません。

宝石品質のアンダリュサイトはレアで、そこに職人さんのカットと研磨が施されて、私たちが宝石として手に取ることができるのです。

アンダリュサイトの石言葉は「成功・希望」

アンダリュサイトの石言葉には「希望」や「成長」があります。

アンダリュサイトの持つ多色性という性質から「物事を多角的に見る力」を与えてくれると言われます。

冷静な判断、冷静な行動をする手助けをしてくれるといわれる石です。

アンダリュサイトのモース硬度

アンダリュサイト(紅柱石)のルース

アンダリュサイトのモース硬度は7.5です。

モース硬度は「傷の付きにくさ・こすり傷に対する強さ」の指標です。

水晶のモース硬度が7なので、水晶よりこすり傷には強いことになります。

普段使いの中で、こすり傷にはそれほど気を使わなくても大丈夫です。

しかし、一定方向に割れやすい「劈開(へきかい)」という性質があります。

しかも、二つの方向に対して劈開があるのです。

衝撃を与えると石が割れてしまう可能性があるので、落としたりぶつけたりしないように注意が必要です。

アンダリュサイトのお手入れ・保管

アンダリュサイトのジュエリー、アクセサリーの使用後は「柔らかい布で拭く」ということが基本になります。

汚れがひどい場合はぬるま湯などで洗い、しっかりと水分を拭き取ってください。

劈開(へきかい)という一定方向に割れやすい性質があるので、超音波洗浄は避けてください。

汗や水分、皮脂、香水、化粧品が付着したままだと退色や劣化の原因となることがあります。

アンダリュサイトの保管

アンダリュサイトのモース硬度は7.5です。

ダイヤモンドやルビー、サファイアなどのモース硬度が7.5より高い宝石とぶつかったりすると、アンダリュサイトに傷がつく可能性があります。

逆にモース硬度が7より低い宝石と一緒に保管すると、その宝石に傷がつく可能性があります。

宝石は基本的に、ひとつひとつ個別に保管することをオススメします。

アンダリュサイトと同質異像の宝石

アンダリュサイトには同質異像 (どうしついぞう)の宝石があります。

同質異像とは「成分は同じだけど結晶構造が違う」ということで「多形(たけい)」とも呼びます。

アンダリュサイトの同質異像には、

  • カイヤナイト
  • シリマナイト

があります。

カイヤナイト

カイヤナイトのルース

カイヤナイトは青い宝石としてよく知られています。

和名は藍晶石(らんしょうせき)で、ブルーサファイアと見間違うほどの美しさを持っています。

カイヤナイトの名前も、ギリシャ語で「ダークブルー」を意味する「カイアノス」に由来します。

カイヤナイトの代表的な色は「青」ですが、他にもオレンジ・イエロー、グリーンなど多彩な色があります。

結晶の方向によって硬度が違うという変わった性質があります。

シリマナイト

シリマナイトのルース

シリマナイトも、アンダリュサイトの同質異像です。

和名は珪線石(けいせんせき)。

英語名のシリマナイトは、アメリカ合衆国の鉱物学者ベンジャミン・シリマンの名前にちなんだものです。

色は緑色のイメージがありますが、青・黃・茶・無色など多彩な色があります。

シリマナイトはドーム状のカボションカットにすることで、一筋の光の線が現れる「キャッツアイ効果」や、六条の光の筋が現れる「スター効果」を持つものがあります。

カイヤナイトもシリマナイトも、アンダリュサイトと成分は同じ。だけど、結晶構造が違うことで姿・形が違います。

鉱物名・宝石名も違うもので、鉱物の世界って面白いなぁと思わされます。

アンダリュサイトの基本情報

名称アンダリュサイト、アンダルサイト
英語名andalusite
和名(日本語名)紅柱石(こうちゅうせき)
産地ブラジル、スリランカ、スペインなど
屈折率1.63-1.65
モース硬度7.5
成分Al2SiO5
比重3.1
結晶系斜方晶系
緑~オレンジ、茶色、赤など
光沢ガラス光沢
劈開二方向に完全

別名:多色性の王様

最後に

今回は、アンダリュサイトを紹介しました。

多色性の王様と呼ばれることも頷ける色の変化を見せてくれる宝石です。

宝石や天然石にあまり興味がない人でも、アンダリュサイトの色の変化は驚くと思います。

カットされ研磨されたルースは、宝石の輝きと色の変化でほんとに美しいですよ!

ぜひ、アンダリュサイトを手にとって、その美しさをその目で確かめてみてくださいね。