【なぜ赤い?】皆既月食のしくみ・部分月食との違い・ブラッドムーンとは?

2022年11月2日

皆既月食と部分月食の月・なぜ赤い?ブラッドムーンの文字

月が欠けて見える「月食(げっしょく)」。

見ることができるチャンスは年に1度あるかないかという、レア現象です。

解説のアイコン・フラッグ・旗 この記事でわかること

✪月食のしくみ

✪皆既月食と部分月食の違い

✪皆既月食で月が赤く見える理由

✪2022年11月8日の皆既月食(欠け始め~皆既月食の写真)

月食について、見ていきましょう。

月食とは?しくみ・皆既月食と部分月食の違い

皆既月食と部分月食

月食とは、「月が欠けて見える現象」です。

太陽・地球・月の順番に一直線に並び、月が地球の影に入ることで月が欠けて見えます。

月食には、

✪ 月の一部分が地球の影に入り、欠けて見える「部分月食(ぶぶんげっしょく)」

✪ 月の全部分がスッポリ地球に入る「皆既月食(かいきげっしょく)」

があります。

ンフォメーションマーク赤・緑背景60の60「月食」は英語で?

英語で月食は「lunar eclipse(ルナ・エクリプス)」。

皆既月食は「total lunar eclipse(トータル・ルナ・エクリプス)

部分月食「partial lunar eclipse(パーシャル・ルナ・エクリプス)

と呼びます。

皆既月食では赤い月(赤銅色の月)を見ることができる。

皆既月食で赤い(赤銅色)の満月

皆既月食では、赤い月を見ることができます。

普段とはまったく違う月の色を見せてくれます。

皆既月食が起こることを知らずに赤い月を見ると、ギョッとします。

思わず「え?ナニコレ?」と口に出してしまうほど。

月食のときの赤い月の色は、赤黒い色で「赤銅色」という表現が使われます。

ンフォメーションマーク赤・緑背景60の60 赤銅色(しゃくどういろ)とは?

赤銅色とは、金属の赤銅(しゃくどう)のような暗い赤色のこと。

赤銅(しゃくどう)は、銅に3~5%の金を加えた合金。

真っ黒に日焼けした肌の色を表現する際に「赤銅色の肌」という表現が使われます。

なぜ皆既月食の月は赤い?その理由は?

なぜ皆既月食では月が赤く見えるのでしょうか?

それは、『太陽の光の中でも「赤い光」が地球を回り込んで月を照らす』からです。

皆既月食の月が赤く見えるのは、「散乱」と「屈折」という現象が深く関わっています。

【散乱とは?】

散乱(さんらん、英: scattering)とは、光などの波や粒子がターゲットと衝突あるいは相互作用して方向を変えられること。

情報源: 散乱 - Wikipedia

【屈折とは?】

光波、水波、音波などの波動が、一つの媒質から他の媒質に進む時、その境界面で進行方向が変わること。

情報源: 屈折とは - コトバンク

波長が短い青い光は、地球の空気の粒で散乱していしまいます。

波長が長い赤い光は、地球の空気の粒の影響を受けにくいのです。

赤い光は光を弱めますが、地球の大気を通り抜けます。

大気を抜ける際に、わずかに屈折した赤い光が月を照らします。

【月が赤く見える理由】

太陽の光が地球の大気を通過するとき、青い光は散乱してしまい月には届かない

赤い光は、光を弱めながらも通り抜けぬける

地球の大気を通り抜けた赤い光は、地球の大気でわずかに屈折する

屈折した赤い光は、地球を回り込んで月を照らす

月が赤く見える

英語では皆既月食を「Blood Moon(ブラッドムーン)」と呼ぶ

Bloodmoon・ブラッドムーンのイメージ絵

英語では、皆既月食を「Blood Moon(ブラッドムーン)」と呼びます。

ブラッドムーンを直訳すると「血の月」。

皆既月食の赤い色を、英語圏の人は「血」の赤になぞらえて「ブラッドムーン」と呼んだのでしょう。

ここ数年では満月の際に、

✪スーパーブラッドウルフムーン(2019年1月21日)

✪スーパーフラワーブラッドムーン(2021年5月26日)

と呼ばれる月がありました。

「スーパーブラッドウルフムーン」で解説すると、

①スーパームーン(月が大きく見える)

②ブラッドムーン(皆既月食)

③ウルフムーン(1月の満月の呼び名)

この3つが重なった日の満月の呼び名です。

「スーパーフラワーブラッドムーン」では、

①スーパームーン(月が大きく見える)

②ブラッドムーン(皆既月食)

③フラワームーン(5月の満月の呼び名)

の3つが重なりました。

関連記事:5月の満月はフラワームーン!いつ見れる?名前の由来は?願い事は?スーパーフラワーブラッドムーンとは?

英語圏では、月ごとの満月に呼び名がつけられています。

英語での満月の呼び名は「【保存版】英語の満月の呼び名・名前一覧・いつ見れる?名前の由来は?【2022年】1月から12月まで日付一覧・別名」で詳しく解説しています。

2021年11月19日の部分月食(ほぼ皆既月食)

2021年11月19日の部分月食(ほぼ皆既月食)
2021年11月19日の部分月食(ほぼ皆既月食)

2021年11月19日は、部分月食を見ることができました。

この日は部分月食ながら、月の大部分が地球の影に入る「ほぼ皆既月食」。

皆既月食のような、「赤い月」を見ることができました。

僕自身、赤い月を肉眼でマジマジと見るのは初めてのことでした。。

赤黒く染まった月の色は、普段の光景とは違う、異様な雰囲気。

家の中から見ましたが、思わず、

「え?」

って声が出てしまいました。

「肉眼で赤い月を見る」というのは、写真で見るのとは違う「驚きと違和感」があります。

2022年11月8日は皆既月食

2022年11月8日は、皆既月食を見ることができました。

ちなみに、11月の満月は「ビーバームーン」です。

国立天文台のツイッターで、皆既月食のスケジュール(時間)確認して観察しました。

部分食始まり:18:09
皆既食始まり:19:16
食の最大:19:59
皆既食終わり20:42
部分食終わり21:49

私もスマホやデジカメで写真を撮影してみました。

まずは、17時42分の満月です。

まだマンマルお月様です。

2022年11月8日・17時42分の満月
17時42分の満月

次は、18時09分すぎの、欠け始めた満月。

2022年11月8日・18時09分の満月・月食で欠け始め
18時09分・欠け始め

月の左下から欠け始めました。

次は、18時35分の満月。

2022年11月8日・18時35分の満月・部分月食進行
18時35分の満月・部分月食進行

欠けが大きくなってきました。

次は、19時04分頃の満月です。

2022年11月8日・19時04分の月・部分月食
19時04分の満月・大部分が地球の影に隠れる

大部分が欠けました。

次は19時18分。皆既月食が始まりました。

19時28分の満月・皆既月食始まり
19時28分の満月・皆既月食始まり

次は19時28分。

19時28分の満月・皆既月食で赤銅色
19時28分の満月・皆既月食で赤銅色

赤銅色になってきました。

次は20時00分。

食が最大の頃の満月・20時00分
20時00分の赤黒い満月(食が最大の頃)

19時59分が「食の最大」だったのですが、じゃっかん薄い雲もあって赤黒い月が夜空に浮かんでいました。

次は20時48分。

20時48分の満月・皆既食終わり
20時48分の満月・皆既食終わり

20時42分に皆既食が終わり、赤い色が薄くなって、左側から月の輝きが戻ってきました。

次は20時50分。

2022年11月8日・20時50分の満月・皆既食終わり
20時50分の満月・左側から輝きが戻る

部分月食に戻って、次第に月の輝きが戻っていきました。

デジカメの性能的にハッキリ撮影できなくて残念でした。

しかし、写真で見るのと肉眼で見るのは、やっぱり違います。

自分の目でシッカリと「部分月食の始まりから皆既月食の終わりまで」を見ることができて良かったです。