【なぜ赤い?】皆既月食のしくみ・部分月食との違い・ブラッドムーンとは?
月が欠けて見える「月食(げっしょく)」。
見ることができるチャンスは年に1度あるかないかという、レア現象です。
この記事でわかること
✪月食のしくみ
✪皆既月食と部分月食の違い
✪皆既月食で月が赤く見える理由
✪2022年11月8日の皆既月食(欠け始め~皆既月食の写真)
月食について、見ていきましょう。
月食とは?しくみ・皆既月食と部分月食の違い
月食とは、「月が欠けて見える現象」です。
太陽・地球・月の順番に一直線に並び、月が地球の影に入ることで月が欠けて見えます。
月食には、
✪ 月の一部分が地球の影に入り、欠けて見える「部分月食(ぶぶんげっしょく)」
✪ 月の全部分がスッポリ地球に入る「皆既月食(かいきげっしょく)」
があります。
「月食」は英語で?
英語で月食は「lunar eclipse(ルナ・エクリプス)」。
皆既月食は「total lunar eclipse(トータル・ルナ・エクリプス)
部分月食「partial lunar eclipse(パーシャル・ルナ・エクリプス)
と呼びます。
皆既月食では赤い月(赤銅色の月)を見ることができる。
皆既月食では、赤い月を見ることができます。
普段とはまったく違う月の色を見せてくれます。
皆既月食が起こることを知らずに赤い月を見ると、ギョッとします。
思わず「え?ナニコレ?」と口に出してしまうほど。
月食のときの赤い月の色は、赤黒い色で「赤銅色」という表現が使われます。
赤銅色(しゃくどういろ)とは?
赤銅色とは、金属の赤銅(しゃくどう)のような暗い赤色のこと。
赤銅(しゃくどう)は、銅に3~5%の金を加えた合金。
真っ黒に日焼けした肌の色を表現する際に「赤銅色の肌」という表現が使われます。
なぜ皆既月食の月は赤い?その理由は?
なぜ皆既月食では月が赤く見えるのでしょうか?
それは、『太陽の光の中でも「赤い光」が地球を回り込んで月を照らす』からです。
皆既月食の月が赤く見えるのは、「散乱」と「屈折」という現象が深く関わっています。
【散乱とは?】
散乱(さんらん、英: scattering)とは、光などの波や粒子がターゲットと衝突あるいは相互作用して方向を変えられること。
情報源: 散乱 - Wikipedia
【屈折とは?】
光波、水波、音波などの波動が、一つの媒質から他の媒質に進む時、その境界面で進行方向が変わること。
情報源: 屈折とは - コトバンク
波長が短い青い光は、地球の空気の粒で散乱していしまいます。
波長が長い赤い光は、地球の空気の粒の影響を受けにくいのです。
赤い光は光を弱めますが、地球の大気を通り抜けます。
大気を抜ける際に、わずかに屈折した赤い光が月を照らします。
【月が赤く見える理由】
太陽の光が地球の大気を通過するとき、青い光は散乱してしまい月には届かない
⬇
赤い光は、光を弱めながらも通り抜けぬける
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地球の大気を通り抜けた赤い光は、地球の大気でわずかに屈折する
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屈折した赤い光は、地球を回り込んで月を照らす
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月が赤く見える
英語では皆既月食を「Blood Moon(ブラッドムーン)」と呼ぶ
英語では、皆既月食を「Blood Moon(ブラッドムーン)」と呼びます。
ブラッドムーンを直訳すると「血の月」。
皆既月食の赤い色を、英語圏の人は「血」の赤になぞらえて「ブラッドムーン」と呼んだのでしょう。
ここ数年では満月の際に、
✪スーパーブラッドウルフムーン(2019年1月21日)
✪スーパーフラワーブラッドムーン(2021年5月26日)
と呼ばれる月がありました。
「スーパーブラッドウルフムーン」で解説すると、
①スーパームーン(月が大きく見える)
②ブラッドムーン(皆既月食)
③ウルフムーン(1月の満月の呼び名)
この3つが重なった日の満月の呼び名です。
「スーパーフラワーブラッドムーン」では、
①スーパームーン(月が大きく見える)
②ブラッドムーン(皆既月食)
③フラワームーン(5月の満月の呼び名)
の3つが重なりました。
関連記事:5月の満月はフラワームーン!いつ見れる?名前の由来は?願い事は?スーパーフラワーブラッドムーンとは?
英語圏では、月ごとの満月に呼び名がつけられています。
英語での満月の呼び名は「【保存版】英語の満月の呼び名・名前一覧・いつ見れる?名前の由来は?【2022年】1月から12月まで日付一覧・別名」で詳しく解説しています。
2021年11月19日の部分月食(ほぼ皆既月食)
2021年11月19日は、部分月食を見ることができました。
この日は部分月食ながら、月の大部分が地球の影に入る「ほぼ皆既月食」。
皆既月食のような、「赤い月」を見ることができました。
僕自身、赤い月を肉眼でマジマジと見るのは初めてのことでした。。
赤黒く染まった月の色は、普段の光景とは違う、異様な雰囲気。
家の中から見ましたが、思わず、
「え?」
って声が出てしまいました。
「肉眼で赤い月を見る」というのは、写真で見るのとは違う「驚きと違和感」があります。
2022年11月8日は皆既月食
2022年11月8日は、皆既月食を見ることができました。
ちなみに、11月の満月は「ビーバームーン」です。
【11月8日 日本全国で見られる #皆既月食 情報(1/3)】
部分食始まり:18:09
皆既食始まり:19:16
食の最大:19:59
皆既食終わり20:42
部分食終わり21:49画像1:東京の月の位置
画像2:各地の月の高度画像3、4:#天王星食 予報。天王星食は小笠原諸島を除く日本のほとんどの場所で見られます pic.twitter.com/IBkJfMcQwp
— 国立天文台 (@prcnaoj) November 7, 2022
国立天文台のツイッターで、皆既月食のスケジュール(時間)確認して観察しました。
部分食始まり:18:09
皆既食始まり:19:16
食の最大:19:59
皆既食終わり20:42
部分食終わり21:49
私もスマホやデジカメで写真を撮影してみました。
まずは、17時42分の満月です。
まだマンマルお月様です。
次は、18時09分すぎの、欠け始めた満月。
月の左下から欠け始めました。
次は、18時35分の満月。
欠けが大きくなってきました。
次は、19時04分頃の満月です。
大部分が欠けました。
次は19時18分。皆既月食が始まりました。
次は19時28分。
赤銅色になってきました。
次は20時00分。
19時59分が「食の最大」だったのですが、じゃっかん薄い雲もあって赤黒い月が夜空に浮かんでいました。
次は20時48分。
20時42分に皆既食が終わり、赤い色が薄くなって、左側から月の輝きが戻ってきました。
次は20時50分。
部分月食に戻って、次第に月の輝きが戻っていきました。
デジカメの性能的にハッキリ撮影できなくて残念でした。
しかし、写真で見るのと肉眼で見るのは、やっぱり違います。
自分の目でシッカリと「部分月食の始まりから皆既月食の終わりまで」を見ることができて良かったです。
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