翡翠(ひすい)ジェダイトとネフライトの解説!宝石言葉・意味・歴史・5月の誕生石&日本の国石・特徴まとめ
今回は、翡翠(ひすい)がどんな宝石なのかを解説します。
日本では5月の誕生石であり、「日本の国石」にも選ばれています。
古くから東洋や中南米で人気のある宝石です。
翡翠はどんな宝石?特徴まとめ
まずは「翡翠はどんな宝石なのか」、その特徴を見ていきましょう。
翡翠(ひすい)はどんな宝石? |
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翡翠の名前の由来は鳥の「カワセミ」 |
英語で翡翠は「Jade(ジェイド)」 |
「硬玉(ヒスイ輝石・ジェダイト)」と「軟玉(ネフライト)」に分類される |
靭性(じんせい)が高く割れにくい性質を持つ |
翡翠は日本の国石(硬玉・ジェダイト) |
ネフライトはニュージーランドの国石 |
緑の色のイメージが強い翡翠・他にもいろんな色がある |
日本では翡翠は5月の誕生石 |
ざっと翡翠の特徴を挙げましたが、それぞれ詳しく解説していきます。
まずは、翡翠の名前の由来から見ていきましょう。
翡翠の名前の由来は鳥のカワセミ
翡翠の名前の由来と、英語名を見ていきます。
「玉」⇒「翡翠玉」⇒「翡翠」
翡翠(ひすい)は美しい石として、瑪瑙(めのう)や他の宝石と共に「玉」と呼ばれていました。
中国では鳥のカワセミを「翡翠」と呼んでいましたが、しだいに宝石の翡翠を指す言葉となりました。
カワセミの美しい緑色の羽から「翡翠玉」と呼ばれ、玉が取れて「翡翠」と呼ぶようになります。
英語で翡翠は「Jade」
英語で翡翠は「Jade(ジェイド)」です。
スペイン語で「piedra de ijada(腹痛の石)」と呼ばれ、フランス語で「pierre de jade」となり、英語で「jade」と変化していきました。
腹痛の石と呼ばれたのは、スペインが中米のアステカ王国を征服した際に、現地で内臓疾患に効果がある石とされていた翡翠を持ち帰ったことが由来となっています。
続いては、翡翠の種類を見ていきましょう。
翡翠の種類「硬玉(ヒスイ輝石・ジェダイト)」と「軟玉(ネフライト)」
翡翠は「硬玉(ヒスイ輝石)」と「軟玉(ネフライト)」の2つがあります。
鉱物としては別のモノですが、見た目では判断がつかないのでどちらも「翡翠」と呼ばれます。
硬玉(ヒスイ輝石) | 軟玉 | |
呼び名 | ジェダイト | ネフライト |
成分 | ナトリウムとアルミニウムを含む単斜輝石 | 透閃石-緑閃石系角閃石の緻密な集合 |
モース硬度 | 6.5-7 | 6-6.5 |
硬玉(ヒスイ輝石)と軟玉(ネフライト)は、違う鉱物なので、成分も違います。
宝石の傷のつきにくさを示す「モース硬度」を見ると、硬玉は「6.5-7」であるのに対して、軟玉は「6-6.5」と硬玉より少し低いのです。
この違いにより、硬度が高いほうが「硬玉」と呼ばれ、柔らかいほうが「軟玉」と呼ばれます。
英語では、硬玉は「jadeite(ジェダイト)」、軟玉は「nephrite(ネフライト)」です。日本でも、「ジェダイト」「ネフライト」の呼び方が使われています。
翡翠の最高品質「インペリアルジェイド」(ロウカン翡翠)
翡翠の中で最高の価値がつけられるのは、「インペリアルジェイド」です。
インペリアルジェイドは透明感があり、鮮やかなグリーンの翡翠です。
クロムと鉄を含むことで、まるでエメラルドのような美しい緑色に発色します。
インペリアルは「皇帝」を意味する言葉・西太后も愛した宝石
インペリアルは「皇帝」を意味する言葉です。
中国の宮廷(皇族)に好まれたことや、その美しさからインペリアルジェイドという名で呼ばれます。
清の時代の西太后は、宝石愛好家としても有名ですね。
インペリアルジェイドは「琅玕(ろうかん)」とも呼ばれる
インペリアルジェイドは「琅玕(ろうかん)」とも呼ばれます。
ロウカン翡翠・琅玕翡翠と表記されることがありますが、同じものです。
翡翠は、靭性(じんせい)が高く割れにくい性質を持つ
翡翠は、硬玉も軟玉の両方とも高い靭性を持ち、割れにくい性質があります。
靭性とは、構造物や素材または部材の強度・ねばり強さのことです。
翡翠は、内部で針状・繊維状の小さな結晶が複雑に絡み合った鉱物です。
鉱物の中でも最も割れにくい部類に入ります。
翡翠は固く割れにくい石なので、はるか古代から石斧や武器に使われてきました。
翡翠の産地
翡翠の産地を硬玉・軟玉のそれぞれ見ていきましょう。
硬玉(ヒスイ輝石・ジェダイト)の産地
硬玉の産地は、日本、ミャンマー、グアテマラ、アメリカ、ロシア、カザフスタンなどがあります。
日本では、新潟県の糸魚川が産地として有名です。
軟玉(ネフライト)の産地
軟玉(ネフライト)の産地は中国の新疆ウイグル自治区ホータン、ニュージーランド、アメリカのワイオミング州などが産地です。
翡翠の歴史
翡翠の歴史を見ていきましょう。
日本での翡翠の歴史
翡翠は固く割れにくい石で、はるか古代から石斧や武器に使われました。
日本でも翡翠が採れ、新潟県糸魚川は古代からの翡翠の産地として有名です。
約5千年前の日本・糸魚川では、翡翠に穴があけられ、装飾品に加工されていたことが判明しています。
翡翠の勾玉は、全国各地の古墳から発見され、当時の権力者が翡翠を持っていたことがわかっています。
中国での翡翠の歴史
古代中国ではどの宝石よりも価値があるもので、装飾品として利用されてきました。
翡翠の名前の解説部分でも触れましたが、かつては「玉」と呼ばれ、カワセミの色がもとになって「翡翠玉」と名前が変わり、玉がとれて「翡翠」と呼ばれるようになった歴史があります。
中国では翡翠は「仁・義・礼・智・信」の5つの徳を備えた石とされ、権力者たちに愛されてきた宝石です。
中南米での翡翠の歴史
中南米では、翡翠には不老不死・生命の再生の力があるとされ、身分の高い人が亡くなると翡翠をつなぎあわせたもので遺体を覆いました。
また、まじないの道具としても使われました。
古代から中世にかけて、どの地域でも美しい宝石には、不思議な力があると考えられたようです。
緑だけじゃない!?翡翠の色・カラーバリエーション
緑の色のイメージが強い翡翠ですが、白、青、ラベンダー、紫など、緑以外にもいろんな色があるんですよ!
緑以外にも違う色があるなんて、知らなかった!
ラベンダー翡翠(ラベンダージェイド)
ラベンダー色(紫色)の翡翠は「ラベンダージェイド」または「ラベンダー翡翠」と呼ばれます。
特にアメリカでは、緑色の翡翠よりも、ラベンダー色の翡翠のほうが人気があります。
青翡翠
青い翡翠は「青翡翠」または「ブルージェイド」と呼ばれます。
青く発色する成分は、鉄とチタン。
これは、ブルーサファイアの発色成分と同じです。
黒・白・無色透明の翡翠
ラベンダー翡翠や青翡翠の他にも、黒色や白い翡翠もあります。
無色透明な翡翠は「アイスジェダイト」と呼ばれます。
翡翠は日本の国石
日本では、ヒスイが古代から宝飾品に使われてきた歴史があり、2016年に日本鉱物科学会が「日本の国石」に翡翠を選定しました。
国の鳥の国鳥、国の花の国花のように、国を象徴する石として「国石」があります。
その国を象徴する石、国のシンボルとなる石です。
ヒスイには、硬玉を含む翡翠輝石(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)の2つがありますが、日本のヒスイはジェダイトのことですね。
軟玉(ネフライト)はニュージーランドの国石
ニュージーランドでは、ネフライトが国石です。
ニュージーランドは軟玉(ネフライト)の産地で、ニュージーランドの先住民・マオリ族はネフライトをマオリ語で「ポウナム」と呼んで、神秘的な力を持つ神聖な石として大切にしてきました。
エメラルドとともに5月の誕生石としても知られる翡翠
日本では、翡翠はエメラルドとともに、5月の誕生石に選ばれています。
誕生石とは、1月から12月までそれぞれの月にちなんで割り当てられた宝石のこと。
誕生石を身に着けると幸せが訪れる、願いが叶うという言い伝えがあります。
誕生石は、アメリカ合衆国で定められた誕生石のリストをもとにして、日本でも制定されています。
その国独自の文化が反映され、日本でも馴染みの深い緑色の宝石である翡翠がエメラルドとともに5月の誕生石に選ばれています。
YouTubeチャンネル「ろっくす」でも宝石の解説してます!
翡翠の宝石言葉・意味と効果
ここからは翡翠の宝石言葉や、パワーストーンの世界から見た翡翠を見ていきましょう
翡翠の宝石言葉
宝石にはそれぞれ意味が込められていて「宝石言葉・石言葉」と呼ばれます。
健康と繁栄・福徳・長寿・幸福
翡翠の宝石言葉には、「健康と繁栄」「福徳」「長寿」「幸福」があります。
パワーストーンとしての翡翠の効果「人生の成功と繁栄を象徴する石」
翡翠は、「人生の成功と繁栄を象徴する石」とされてきました。
冷静さと忍耐力を養い、災難や不運から守ってくれるといわれます。
中国では翡翠は「仁・義・礼・智・信」の5つの徳を備えた石とされていて、パワーストーンとしても、叡智を授け人徳を与える効果があるされてます。
ヒスイ輝石(ジェダイト)は、直感力を高め、幸運をもたらす石としても知られています。
軟玉(ネフライト)は、持ち主の精神を粘り強いものに変えて、自己成長・自己実現を果たすサポートをしてくれると言われます。
翡翠は、仕事や勉強で結果を残したい・成功を掴みたい人にとって、力強いお守りとなるでしょう。
幸運のお守りとしても、オススメです。
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