軽症・重症・軽傷・重傷・重体・重篤の違いと言葉の意味について

軽症・重症・重体・重篤・軽傷・重症の違いと言葉の意味の文字が書かれた黒板

軽症・重症という言葉をよく耳にしますが、その違いはどういうことなのでしょうか。

軽傷・重傷もあります。

重体・重篤という言葉も聞くことがあります。

軽症・重症・・重体・重篤・軽傷・重傷について、

✔ 言葉の意味や定義

✔ 救命救急での傷病程度の分類

から考えてみます。



軽症・重症・軽傷・重傷・重体・重篤の言葉の意味:広辞苑より

 

まずは、軽症・重症・重体・重篤(じゅうとく)・軽傷・重傷の言葉の意味を見てみると

【軽症】軽い病気。軽い症状。

【重症】重い病気。重い症状。

【重体】【重態・重体】病気・負傷の容体がおもく危険なこと。

【重篤】病状がいちじるしく重いこと。

【軽傷】軽い傷。うすで

【重傷】重いきず。大きな負傷。ふかで。

岩波書店 広辞苑 第四版より

となっています。

ちょっと言い換えると

✔ 病気の症状が軽い→軽症

✔ 病気の症状が重い→重症

✔ 病気や怪我の症状が重くてもう危険な状態→重体

✔ 病気の症状がメチャクチャ重い→重篤

という感じですね。

✔ 軽傷と重傷は「傷」の度合いである

✔ 軽症と重傷は病気の症状の度合いである

ので、読み方は同じでも

✔ 軽症と軽傷

✔ 重症と重症

は使い分けが必要ですね。


「軽症」と「重症」の違い:総務省消防庁「平成30年版 救急救助の現況」より

「軽症」と「重症」はどのように定義されているのでしょうか。

総務省消防庁の「平成30年版 救急救助の現況」では傷病程度を5種類に分類しており、その中で「重症」や「軽症」について記述してあります。

傷病程度とは、救急隊が傷病者を医療機関に搬送し、初診時における医師の診断に基
づき、次の5種類に分類している。傷病程度に基づく分類は次のとおりである。
(1) 死亡:初診時において死亡が確認されたものをいう。
(2) 重症(長期入院):傷病程度が3週間以上の入院加療を必要とするものをいう。
(3) 中等症(入院診療):傷病程度が重症または軽症以外のものをいう。
(4) 軽症(外来診療):傷病程度が入院加療を必要としないものをいう。
(5) その他:医師の診断がないもの及び傷病程度が判明しないもの、並びにその他
の場所に搬送したものをいう。
なお、傷病程度は入院加療の必要程度を基準に区分しているため、骨折等で入院の
必要はないが、通院による治療が必要な者は軽症として分類されている。

引用元:平成30年版 救急救助の現況 |Ⅰ 救急編 p21|総務省消防庁(PDF)

この分類では、

重症とは「傷病程度が3週間以上の入院加療を必要とするものをいう。」

軽症とは「傷病程度が入院加療を必要としないものをいう。」

とあり、「入院を必要としない」と判断されれば「軽症」と分類されることになります。

「軽症」と「重症」と「重篤」:平成 16 年3月 財団法人 救急振興財団「救急搬送における重症度・緊急度判断基準作成委員会  報告書」より

 

平成 16 年3月 財団法人 救急振興財団「救急搬送における重症度・緊急度判断基準作成委員会  報告書」による傷病者重症度分類表では、

3 傷病者重症度分類表

軽 症:入院を要しないもの

中等症:生命の危険はないが入院を要するもの

重 症:生命の危険の可能性があるもの

生命の危険の可能性があるものとは、重症度・緊
急度判断基準において、重症以上と判断されたも
ののうち、死亡及び重篤を除いたものをいう。

重 篤:生命の危険が切迫しているもの

生命の危険が切迫しているものとは、以下のもの
をいう。
① 心・呼吸の停止または停止のおそれがある
もの。
② 心肺蘇生を行ったもの。

死 亡:初診時死亡が確認されたもの

※ 軽症については、さらに以下の4つに細分化できる。
①「通院1(非入院1)」
軽症と診断されたもののうち、1週間以上の通院加療を要する傷病状態と認められたもの
②「通院2(非入院2)」
軽症と診断されたもののうち、1週間未満の通院加療を要する傷病状態と認められたもの
③「通院不要1」
軽症と診断されたもののうち、通院加療は要しないが医療処置(投薬を除く)を要したもの
④「通院不要2」
軽症と診断されたもののうち、通院加療は要しなかったもの(診察・投薬のみであったもの)

引用元:救急搬送における重症度・緊急度判断基準作成委員会 報告書 財団法人 救急振興財団(参考資料)p3(PDF)

とあります。

✔「軽症」については、「入院を要しないもの」=「入院が必要がないもの」とされています。

✔「重症」については「生命の危険の可能性があるもの」とされています。

✔「重篤」については、「生命の危機が切迫しているもの」とし、「心停止・呼吸停止の状態、心停止・呼吸停止のおそれがある状態、心肺蘇生を行った状態」について記述されています。

広辞苑・消防庁の分類・救急振興財団の分類の3つから「軽症」・「重症」・「重体」・「重篤」についてまとめます。

広辞苑・消防庁の分類・救急振興財団の分類の3つから「軽症」「重症」「重体」「重篤」についてまとめますと、

軽症→軽い病気。軽い症状。入院を必要としない状態。

重症→重い病気。重い症状。3週間以上の入院を必要とする状態で、命の関わるものも含む。

重体→病気や怪我の状態が重く、命の危険がある状態

重篤→病状が著しく悪い状態で、命を落とす危機が目の前にある状態。

となります。



「軽症」と「重症」の判断の分け目は「入院が必要か必要でないか」

「軽症」については、「入院が必要か必要でないか」が判断の分け目になります。

入院が必要でなければ「軽症と分類されます。

入院の必要性があれば、中等症・重症に分類され、「3週間以上が必要とされるもの・命の危険に関わる可能性があるもの」は「重症」と分類されることになります。