「重症」と「軽症」の違いって何?意味は?「重体」「重篤」とはどういう状態?

新型コロナウイルス感染症の脅威にさらされている中、軽症の人が自宅療養するケースが報道されています。

「重症」、「軽症」という言葉をよく耳にしますが、その違いはどういうことなのでしょうか。

また、「重体」・「重篤」との違いはなんでしょうか。

言葉の意味や定義、救命救急での傷病程度の分類から考えてみます。





「軽症」・「重症」・「重体」「重篤」の意味:広辞苑より

軽症・重症・重体・重篤の違い・意味のアイキャッチ画像

「軽症」→軽い病気。軽い症状。

「重症」→重い病気。重い症状。

「重体」→【重態・重体】病気・負傷の容体がおもく危険なこと。

「重篤」→病状がいちじるしく重いこと。

岩波書店 広辞苑 第四版より

「重症」と「軽症」の違い:総務省消防庁「平成30年版 救急救助の現況」より

「重症」と「軽症」はどのように定義されているのでしょうか。

総務省消防庁の「平成30年版 救急救助の現況」では傷病程度を5種類に分類しており、その中で「重症」や「軽症」について記述してあります。

傷病程度とは、救急隊が傷病者を医療機関に搬送し、初診時における医師の診断に基
づき、次の5種類に分類している。傷病程度に基づく分類は次のとおりである。
(1) 死亡:初診時において死亡が確認されたものをいう。
(2) 重症(長期入院):傷病程度が3週間以上の入院加療を必要とするものをいう。
(3) 中等症(入院診療):傷病程度が重症または軽症以外のものをいう。
(4) 軽症(外来診療):傷病程度が入院加療を必要としないものをいう。
(5) その他:医師の診断がないもの及び傷病程度が判明しないもの、並びにその他
の場所に搬送したものをいう。
なお、傷病程度は入院加療の必要程度を基準に区分しているため、骨折等で入院の
必要はないが、通院による治療が必要な者は軽症として分類されている。

引用元:平成30年版 救急救助の現況 |Ⅰ 救急編 p21|総務省消防庁(PDF)

この分類では、

重症とは「傷病程度が3週間以上の入院加療を必要とするものをいう。」

軽症とは「傷病程度が入院加療を必要としないものをいう。」

とあり、「入院を必要としない」と判断されれば「軽症」と分類されることになります。

「軽症」と「重症」と「重篤」:平成 16 年3月 財団法人 救急振興財団「救急搬送における重症度・緊急度判断基準作成委員会  報告書」より

 

平成 16 年3月 財団法人 救急振興財団「救急搬送における重症度・緊急度判断基準作成委員会  報告書」による傷病者重症度分類表では、

3 傷病者重症度分類表

軽 症:入院を要しないもの

中等症:生命の危険はないが入院を要するもの

重 症:生命の危険の可能性があるもの

生命の危険の可能性があるものとは、重症度・緊
急度判断基準において、重症以上と判断されたも
ののうち、死亡及び重篤を除いたものをいう。

重 篤:生命の危険が切迫しているもの

生命の危険が切迫しているものとは、以下のもの
をいう。
① 心・呼吸の停止または停止のおそれがある
もの。
② 心肺蘇生を行ったもの。

死 亡:初診時死亡が確認されたもの

※ 軽症については、さらに以下の4つに細分化できる。
①「通院1(非入院1)」
軽症と診断されたもののうち、1週間以上の通院加療を要する傷病状態と認められたもの
②「通院2(非入院2)」
軽症と診断されたもののうち、1週間未満の通院加療を要する傷病状態と認められたもの
③「通院不要1」
軽症と診断されたもののうち、通院加療は要しないが医療処置(投薬を除く)を要したもの
④「通院不要2」
軽症と診断されたもののうち、通院加療は要しなかったもの(診察・投薬のみであったもの)

引用元:救急搬送における重症度・緊急度判断基準作成委員会 報告書 財団法人 救急振興財団(参考資料)p3(PDF)

とあります。

「軽症」については、「入院を要しないもの」=「入院が必要がないもの」とされています。

「重症」については「生命の危険の可能性があるもの」とされています。

「重篤」については、「生命の危機が切迫しているもの」とし、「心停止・呼吸停止の状態、心停止・呼吸停止のおそれがある状態、心肺蘇生を行った状態」について記述されています。

まとめ

広辞苑・消防庁の分類・救急振興財団の分類の3つから「軽症」「重症」「重体」「重篤」についてまとめます。

広辞苑・消防庁の分類・救急振興財団の分類の3つから「軽症」「重症」「重体」「重篤」についてまとめますと、

軽症→軽い病気。軽い症状。入院を必要としない状態。

重症→重い病気。重い症状。3週間以上の入院を必要とする状態で、命の関わるものも含む。

重体→病気や怪我の状態が重く、命の危険がある状態

重篤→病状が著しく悪い状態で、命を落とす危機が目の前にある状態。

となります。

「軽症」と「重症」の違い

「軽症」については、「入院が必要か必要でないか」が判断の分け目になります。

入院が必要でなければ「軽症と分類されます。

入院の必要性があれば、中等症・重症に分類され、「3週間以上が必要とされるもの・命の危険に関わる可能性があるもの」は「重症」と分類されることになります。

新型コロナウイルス感染症の「軽症」について:軽い風邪とは別物

「軽症」という言葉の意味や、イメージからすると、「軽症は軽い症状」で「大したことない」と思うのではないでしょうか。

新型コロナウイルス感染症においては、「軽症」と判断されても、イメージとはかけ離れている場合もあります。

そして、午後以降どんどん熱が上がってくる症状も8日目。38.5度とかだと、もはや、「楽だな~」と思えます。

40度近くなると、震えたり、熱くなったり、さらに咳が止まらないので苦しかったり。

この状態が8日連続ですよ。 熱と頭痛と咳で、ほぼ水しか受け付けない状態です。

もはや日課のように、今日もまた熱が上がってきています。

この状態を「軽症」と表現されています。

決して軽い風邪のような状態ではないってことは理解してください…...。

言葉って怖い。。。

情報源: これで「軽症」と言うのか。新型コロナ感染で入院中、渡辺一誠さんの手記 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

「軽症」と判断され、自宅療養やホテルの部屋で過ごす人がいることが報道されていますが、新型コロナウイルス感染症の「軽症」を「軽い症状」と考えるのは辞めたほうが良さそうです。

新型コロナウイルス感染症の重症(→重い病状)となると、呼吸困難で命の危険がある状態(重篤)になる可能性があります。