【赤いカブトムシ】のトニーの観察日記
7月終盤の土曜日、嫁の実家に遊びに行った息子がカブトムシをもらってきました。
ジジ(嫁の父親)がカブトムシやクワガタをよく捕まえてくるのですが、その中の一匹を虫かごに入れくれたみたい。
息子はそのカブトムシをなぜか「トニー」と名付けてかわいがっています。
息子はカブトムシが「飛ぶ」ことをイメージしたようで、「飛ぶ」じゃおかしいからトニーと名前をつけたとお話してくれました。
赤いカブトムシのトニー
で、そのカブトムシのトニーですが、体の色が赤いんです。
赤いカブトムシ。
自分が山の中でカブトムシ採りに夢中になっていた子どもの頃(30年前)、赤いカブトムシは
赤カブ
と呼んでいました。
クワガタにも、赤い色をしたノコギリクワガタはよく捕まえてました。
特に、まだハサミが曲がっていない若いノコギリクワガタは体が赤かった気がします。
若いクワガタや、サナギから羽化したてのカブトムシは体の色が赤っぽいのかと思っていたんですが、実際は遺伝による部分が大きいようです。
若さだけではなく、遺伝で真っ黒で黒光りしているカブトムシもいれば、赤茶色した体の赤カブやクワガタもいるということですね。
カブトムシやクワガタの寿命
クワガタは冬を越して、数年生きることができます。
一方、カブトムシはひと夏で寿命が尽きます。
7月頃に羽化して、交尾をしたカブトムシは卵を産んで、次の世代を残して消えていきます。
羽化して一週間ほどの寿命のセミに比べれば長いですが、カブトムシもひと夏の命。
はかないものです。
我が家にやってきたカブトムシのトニー。
赤カブのトニーは我が家で夏を過ごすことになります。
小さい虫かごに土を入れ、それにそぐわない大きさの嫁さんが買ってきた止まり木。
それがトニーの家。
小学校2年も息子も、3歳の娘も
「トニー、トニー」
と呼んで可愛がっています。
できるだけ、長生きさせてやりたいものです。
3日目、トニーがいなくなった。最後の晩餐を…
そんな風に思っていた3日目、トニーが虫かごの中にいません。
娘も
「トニーがいない!」
と、騒いでいました。
「こりゃ、虫かごのフタが開いていて逃げたかな…。」
昨日の夜、虫かごのフタを開けて息子と娘がカブトムシのトニーとのふれあいを楽しんでいたので、多分そのときにフタが完全に閉まっていなかったんだと思います。
カブトムシは夜行性。夜は虫かごの中でも活発に動き回り、ときには羽を広げて飛ぼうとします。
夜の間に虫かごから出て動き回っていたなら、虫かごが置いてある玄関の何処かにいるはず。
探してみると、玄関に隅に置いてある傘立ての後ろでカブトムシのトニーはひっくり返って動いていませんでした。
ああ、やってしまった。
命が絶えてしまった…と思いながらカブトムシのトニーを突付くと、ゆっくりとわずかに脚を動かしました。
あ、まだ生きてる!
しかし、もう自力で歩けないトニー。
虫かごにそっと戻しましたが、もうほとんど動きません。
娘はそれでも「トニー、トニー!」と言っていましたが、もう息も絶え絶えのトニーを「そっとしておいて欲しい」と伝えて、そのままにしておきました。
その日の夜中、虫かごの中を覗くとうつ伏せに置いたはずのトニーは、またひっくり返って動きません。
ツンツン突いてみると、わずかに動く脚。
死んではいないものの、かなり弱っています。
でも、もうダメだ…。
かわいそうなことをしてしまった…。
新しい昆虫ゼリーを虫かごの中に入れ、その上にカブトムシのトニーを乗せました。
せめて、最後の晩餐だけでも…。
そんな思いでした。
虫かごにフタをして、玄関の明かりを消してその場を後にしました。
4日目。まだ終わりじゃない
4日目の朝、またひっくり返っていたトニー。
もう動かないかと思っていましたが、突くと、またわずかに脚が動きます。
自力では起き上がれそうもないので、また昆虫ゼリーの上にうつ伏せスタイルに戻して家をでました。
4日目の夕方、帰宅後に虫かごの中をを覗いて見ると、トニーがいない…。
よくよく見てみると、土の中に潜っています。
もう、カブトムシのトニーは死んでしまうことを覚悟していた昨日。
弱りきっていたのであまり期待はしませんでしたが、ひょっとしたらひょっとするかも…
トニーは見ている限りはそのままずっと土の中に潜っていました。
夜中もトニーが動いている様子はありませんでした。
7日目。トニーの復活
昆虫ゼリーだけ新しいモノを虫かごに入れていた5日目・6日目。
とにかくそっとして置こうと子どもたちと話をして、あえてカブトムシのトニーを触ったりはしませんでした。
7日目の朝、土から出ているトニー。
嫁さんが、
「トニー生きてるよ」
「動くよ、トニー」
弱々しく僅かに脚が動く程度だったトニーが自力で歩いています。
トニー、復活!
死ななくてよかった。
その夜、カブトムシのトニーは虫かごの中でめちゃくちゃ元気に動いていました。
羽を広げようともしてました。
夜中にトイレに行ったついでに玄関まで行くと、暗い玄関にキシャキシャとカブトムシが動き回る音が聞こえます。
すっかり元気になりました。
よかった~
自分が小さい頃、夏になるとカブトムシやクワガタは山で採ってきて家で飼っていました。
一度弱ってしまうと、活発に動き回れる程元気になるということは経験上ありません。
そのままさようならでした。
今回、昆虫ゼリーの上でうつ伏せスタイルにしたことが功を奏してのか、弱りきっていたカブトムシのトニーは元気になってくれました。
一度は諦めた命、元気になったくれたことで情が移ってしまいました。
もう、可愛くてしょうがない。
とにかくできるだけ長く生きてもらいたい。
我が家に来てから現在20日程。
カブトムシのトニーは今日も元気です。
39才の夏、人生で一番カブトムシを大切に飼育しています。
追記
赤いカブトムシのトニーは9月終盤まで生きてくれました。
ひと夏のカブトムシの命ですが、我が家に素晴らしい想い出をのこしてくれたトニー。
庭の片隅にお墓を作りました。
ありがとうね、トニー。
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