黄色・オレンジ色の宝石 20選|特徴・和名・モース硬度【宝石解説】トパーズ・ファイアオパール・シトリン・イエローダイヤモンドなど
今回は、黄色・オレンジ色の宝石を紹介していきます。
明るい色と輝きが美しい宝石たちをご覧ください。
⬇YouTubeでも解説しています。
YouTubeでは15石として紹介していますが、この記事で紹介している宝石たちは、動画内でも全て紹介しています。
ぜひ、宝石選びの参考にしてくださいね。
黄色・オレンジ色の天然石の中でも、宝石として扱われること・ジュエリーに使われることが多いものをピックアップしています。
トパーズ
トパーズは11月の誕生石です。
トパーズの名前の由来
トパーズの名前は、
- ギリシャ語で「探し求める」の意味の「トパゾス」が語源という説
- サンスクリット語で「火」を意味する「トパス」
が語源という説があります。
トパーズの和名
トパーズの和名は「黄玉(おうぎょく)」です。
「黄色い宝石」という意味ですが、トパーズは黄色やオレンジ以外にも、ブルー・ピンクなど多彩なカラーバリエーションがあります。
トパーズの基本情報
屈折率 | 1.609-1.637 |
モース硬度 | 8 |
屈折率⇒高いほど輝きが強い
分散度⇒高いほど光の分散によって虹色に煌めくファイアが強い
モース硬度⇒傷のつきにくさの指標・10段階あって10が一番硬い(ダイヤモンドのモース硬度は10)
様ざまな色があるトパーズですが、黄色系・ブルー系が多い印象です。
黄色系統のトパーズの中でも、ピンク・オレンジがかった色のものは「インペリアルトパーズ」と呼ばれます。
インペリアルトパーズは、色が多彩なトパーズの中でも最高品質とされ価値も高い宝石です。
インペリアルトパーズの色は、シェリー酒の色に例えられて「シェリーカラー」と呼ばれることも。
19世紀のブラジル皇帝・ペドロ2世に愛されて王冠を飾った宝石であることから「インペリアル(皇帝の)トパーズ」と呼ばれます。
モース硬度は8と高く、傷はつきにくいのですが、特定の方向に割れやすい「劈開(へきかい)」という性質があります。
落としたりぶつけたりすると、割れてしまう可能性があります。取り扱いには注意してくださいね。
通販でも宝石・ジュエリーは購入できます。
値段や色・形など、宝石選びの参考にしてみてください。
ファイアオパール
10月の誕生石・オパールの中でも、ボディカラーが赤・オレンジから黄色のものは「ファイアオパール」と呼ばれます。
オパールの名前の由来
古代サンスクリット語で「貴重な石」を意味する「ウパラ」がオパールの語源とされています。
ファイアオパールの和名
ファイアオパールの和名は「火蛋白石(ひたんぱくせき)」です。
オパールの和名は「蛋白石(たんぱくせき)」で、ファイアを意味する「火」が付け加えられています。
ファイアオパールの特徴・基本情報
屈折率 | 1.37-1.47 |
モース硬度 | 5.5-6.5 |
ファイアオパールには、オパールならではの「遊色効果」があるものから、遊色効果がないものまであります。
遊色効果(ゆうしょくこうか)とは?
オパールの虹色にキラキラと煌めく光学現象のこと。オパールの内部に入った光が粒子によって分散し、虹色の輝きが現れます。
- 遊色効果があるオパールは「プレシャスオパール」
- 遊色効果が無いオパールは「コモンオパール」
と分類されますが、ファイアオパールは遊色効果があるものも無いものも「ファイアオパール」と呼ばれ、高い価値が付けられます。
サンストーン
サンストーンは、インクルージョン(内包物)がキラキラと輝く宝石です。
サンストーンの名前の由来
サンストーンは、
- オレンジのボディーカラー
- インクルージョン(内包物)が太陽のようにキラキラと輝く
ということから、SUN(サン・太陽の意味)の名称が付けられています。
サンストーンの和名
サンストーンの和名は「日長石(にっちょうせき)」です。
サンストーンの対で「月長石(ムーンストーン)」があります。
サンストーンの特徴・基本情報
屈折率 | 1.54-1.55 |
分散度 | 0.012 |
モース硬度 | 6-6.5 |
サンストーンのインクルーションがキラキラと輝く現象は「アベンチュレッセンス」と呼ばれます。
このことから「アベンチュリンフェルドスパー」とも呼ばれます。
フェルドスパーは「長石」のことです。
オレゴンサンストーン
オレゴンサンストーンはサンストーンの亜種で、アメリカ合衆国・オレゴン州で産出されるサンストーンです。
銅を含むことで、独特な光沢と輝きを持つ宝石です。
ピンクがったオレンジの他にも、赤や緑のオレゴンサンストーンがあります。
スファレライト
スファレライトは、輝きがとても強い宝石です。
スファレライトの名前の由来
ギリシャ語で「まぎらわしい」の意味の「スファレロス」に由来します。
鉛や銀を採取する鉱物の方鉛鉱(ほうえんこう)とよく似ていて、同じ場所から産出されることも多く、採掘現場ではまぎらわしい石だと思われていたことによるものです。
スファレライトの和名
スファレライトの和名は「閃亜鉛鉱(せんあえんこう)」です。
スファレライトの特徴・基本情報
屈折率 | 2.30-2.40 |
分散度 | 0.156 |
モース硬度 | 3.5-4 |
スファレライトの屈折率は「2.30-2.40」。
これは、ダイヤモンドの屈折率「2.417」に匹敵します。
分散度は「0.156」。
これは、ダイヤモンドの分散度「0.044」の4倍近くもあります。
スファレライトはとても輝きが強い宝石で、この宝石ならではの特徴であり、魅力です。
屈折率が高いと、宝石の中に入った光が反射して外に出る量が多いため、輝きが強くなります。
分散とは、光が色ごとに分かれる現象です。
分散度が高いと、虹色に煌めく「ファイア」が強くなります。
スファレライトの分散度は「3.5-4」と低いです。
傷が入りやすく、劈開(へきかい)という割れやすい性質もあるので、ジュエリーとして身につける際には注意したいですね。
スペサルティンガーネット
赤色系統のガーネットに属し、明るいオレンジ色・赤みがかったオレンジ色の宝石です。
ガーネットは、大きく分けて赤色系統のパイラルスパイト・緑色系統のウグランダイトの2つのグループに分けられます。その中にもさらに種類があります。
ガーネットは種類・色がとても多い宝石です。
スペサルティンガーネットの名前の由来
発見地のドイツ・スペッサルト地方の名にちなんだものです。
スペサルティンガーネットの和名
スペサルティンガーネットの和名は「満礬柘榴石(まんばんざくろいし)」です。
ガーネットは、果実のザクロの実に似ていることから、和名は「柘榴石(ざくろいし)」と呼ばれます。
スペサルティンガーネットの特徴・基本情報
屈折率 | 1.78-1.79 |
分散度 | 0.027 |
モース硬度 | 7-7.5 |
スペサルティンガーネットの中でも、特に鮮やかなオレンジ色のものは「マンダリンガーネット」と呼ばれます。
赤みのあるオレンジ色のガーネットは「タンジェリンガーネット」と呼ばれます。
マンダリンもタンジェリンも、オレンジ色の柑橘類です。果実の色に例えられた名前が付けられています。
ヘソナイトガーネット
ヘソナイトガーネットは、緑色系統のウグランダイト・グロッシュラーガーネットの亜種です。
系統は緑色系統ですが、オレンジ色をしています。
マラヤガーネット
マラヤガーネットは、赤色系統のパイラルスパイトに属するパイロープガーネットとスペサルティンガーネットの混合種です。
ピンクからオレンジ色・赤など、色の幅が大きい宝石です。
マラヤガーネットは、マライヤガーネットとも呼ばれます。
イエロートルマリン
宝石界で、色の豊富さナンバーワンのトルマリンの中でも黄色いものです。
トルマリンの名前の由来
トルマリンの名前は、スリランカの言葉・シンハラ語で「混合」の意味の「トゥルマリ」が語源とされています。
多彩な色があるトルマリンは、他の宝石と混同されることが多かったことによるものです。
トルマリンの和名
トルマリンの和名は「電気石(でんきせき)」です。
これは、加熱すると電気を帯びるトルマリンの性質に由来します。
イエロートルマリンの特徴・基本情報
屈折率 | 1.624-1.644 |
分散度 | 0.017 |
モース硬度 | 7-7.5 |
赤・青・緑・ピンクなど、様々な色があるトルマリン。
黄色のイエロートルマリンの中でも、蛍光イエローのような鮮やかな黄色のトルマリンは「カナリートルマリン」と呼ばれ、イエロートルマリンの最高峰とされています。
カナリーの名前は、鳥のカナリアの黄色い羽の色に例えられたものです。
シトリン
シトリンは、黄色の水晶です。
シトリンの名前の由来
シトリンの名前は、フランス語で「柑橘類・レモン」を意味する「シトロン」が語源です。
シトリンの和名
シトリンの和名は「黄水晶(きすいしょう・きずいしょう)」です。
シトリンの特徴・基本情報
屈折率 | 1.54-1.55 |
分散度 | 0.013 |
モース硬度 | 7 |
黄色の水晶・シトリンには、レモンのような黄色からオレンジがかった黄色もあります。
深いオレンジ色のシトリンは、ポルトガルのマデイラワインの色に例えられ「マデイラシトリン」と呼ばれます。
レモンクォーツ
レモンクォーツも、黄色の水晶です。
名前は、レモンのような明るい黄色であることに由来します。
シトリンとレモンクォーツの違い
シトリンは「鉄を含むことで黄色く発色した水晶」であるのに対し、レモンクォーツは「硫黄を含むことで黄色く発色した水晶」です。
クリソベリル
クリソベリルは、淡い黄色から黄緑色の宝石です。
クリソベリルの名前の由来
クリソベリルの名前は、ギリシャ語で黄金を意味する「クリソス」と宝石の種類の「ベリル」を組み合わせたものです。
ベリル(和名は緑柱石)という名が含まれますが、クリソベリルとベリルは異なる鉱物です。
クリソベリルの和名
クリソベリルの和名は「金緑石(きんりょくせき)」です。
クリソベリルの基本情報
屈折率 | 1.74-1.76 |
分散度 | 0.015 |
モース硬度 | 8.5 |
黄色のクリソベリルは、黄金色のように輝きます。
屈折率も高い部類に入り、輝きが強い宝石です。
変色効果で有名な宝石「アレキサンドライト」は、クリソベリルの変種です。
クリソベリル・キャッツアイ
クリソベリルの中でも、研磨されてキャッツアイ効果と呼ばれる光の筋が入ったものは「クリソベリル・・キャッツアイ」と呼ばれます。
希少性も価値も高い宝石です。
日本では、クリソベリル・キャッツアイは2月の誕生石に選ばれています。
ヘリオドール
ヘリオドールは、黄色いベリル(緑柱石)です。
ヘリオドールの名前の由来
ギリシャ語で「太陽」を意味する「ヘリオス」と、「贈り物」を意味する「ドロン」を組み合わせたものです。
ヘリオドールの和名
ヘリオドールの和名は「緑柱石(りょくちゅうせき)」です。
ヘリオドールの特徴・基本情報
屈折率 | 1.57-1.58 |
分散度 | 0.014 |
モース硬度 | 7.5-8 |
ベリル(緑柱石)は、色の違いによって宝石名が変わります。
緑色のベリルはエメラルド、青~水色はアクアマリン、ピンク色ならモルガナイトと呼ばれます。
黄色いベリルは「ヘリオドール」と呼ばれます。
ゴールデンベリル、イエローベリルといった名称でも呼ばれます。
アンバー(琥珀)
アンバー(琥珀)は、宝石として最も古い歴史があるものの一つです。
アンバーの名前の由来
アンバーの名前の由来は、古代アラビア語で「海に漂うもの」を意味する「アンバール」が語源とされています。
アンバーの和名
アンバーの和名は「琥珀(こはく)」。
「琥」は、中国で虎が命を落とした後に石になったものと考えられていたことが由来です。
「珀」は宝石を意味する文字です。
アンバー(琥珀)の基本情報
屈折率 | 1.54 |
モース硬度 | 2-2.5 |
アンバー(琥珀)は、旧石器時代から装飾品として利用されてきた歴史があります。
古代の植物の樹液が化石化したもので、地殻変動などで海底に沈んだものが潮の流れによって海岸に流れ着くので、海岸で発見されることも多いです。
ヨーロッパのバルト海沿岸部は、アンバー・琥珀の産地として広く知られています。
モース硬度は2-2.5と低く、傷が付きやすい宝石です。
落としたりぶつけたりしないように、注意が必要ですね。
トリプライト
宝石質のものは珍しい、レアストーンです。
オレンジ色がメインカラーですが、ピンクや赤色のものもあります。
トリプライトの名前の由来
ギリシャ語で「3重」を意味する「トリピオス」が語源です。
3方向に割れやすい性質を持っていることから「3重」という意味の言葉が語源となっています。
トリプライトの和名
トリプライトの和名は「トリプル石」です。
トリプライトの基本情報
屈折率 | 1.65-1.68 |
モース硬度 | 5-5.5 |
名前の由来にもなっている「3方向に割れやすい性質」が元になって「3つの願いを叶える石」という言い伝えがある宝石です。
透明度が高く宝石質のものは非常に少ない石。
宝石質のトリプライトはレア中のレアストーンなので、希少石がお好きな方はカットされたルースを探してみてくださいね。
特定の方向に割れやすい「劈開(へきかい)」が3方向にあるので、衝撃を加えると割れる可能性があります。
モース硬度も5-5.5と高くないので、ぶつけて傷が付くことがないように注意したい宝石ですね。
保管の際は、トリプライト単独で収納しておくことをオススメします。
アンダリュサイト
アンダリュサイトは見る方向によって色が変わって見える「多色性」が強い宝石です。
アンダリュサイトの名前の由来
アンダリュサイトの発見地・スペインのアンダルシア地方の名にちなんだ名前です。
アンダリュサイトの和名
アンダリュサイトの和名は「紅柱石(こうちゅうせき)」です。
アンダリュサイトの基本情報
屈折率 | 1.63-1.65 |
モース硬度 | 7.5 |
アンダリュサイトは見る角度で色が違って見える多色性がとても強く「多色性の王様」と呼ばれる宝石。
オレンジ色やブラウン系のものも、角度を変えると緑・グリーンに見えたりします。
角度を変えながら、光を当ててアンダリュサイトを観察するのは楽しいですよ。
オレンジと緑のバイカラーのように見えることもあって、キレイです。
クリノヒューマイト
クリノヒューマイトは、黄色やオレンジの他にも赤いものもあります。
金色っぽいイエロー(ゴールデンイエロー)のクリノヒューマイトはとても美しく、人気があります。
クリノヒューマイトの名前の由来
単斜晶系であることが語源の「クリノ」と、石の名前のヒューマイトを組み合わせたものです。
「ヒューマイト」は鉱物収集家のアブラハム・ヒューム氏の名前にちなんだものです。
単斜晶系とは、7つある結晶系のひとつ。
結晶系とは、結晶を結晶軸の数・長さ・角度などによって分類したものです。
3本ある結晶軸の中で2本は直交し、前後軸だけ上下軸と斜交しています。
クリノヒューマイトの和名
クリノヒューマイトの和名は「斜ヒューム石(しゃヒュームせき)」です。
クリノヒューマイトの基本情報
屈折率 | 1.63-1.67 |
モース硬度 | 6 |
インクルージョン(内包物)が多い石で、透明度が高く宝石質のものはレアです。
黄色のクリノヒューマイトは、色と輝きが美しく華やかな輝きがあります。
パパラチアサファイア
サファイアの中でも、ピンクとオレンジの中間色のサファイアです。
希少性が高く「キングオブサファイア」と呼ばれます。
パパラチアサファイアの名前の由来
「パパラチア」は、発見地のスリランカの言葉・シンハラ語で「ハスの花」を意味する言葉。
パパラチアサファイアの色を、ハスの花に例えたことが由来です。
サファイアの和名
サファイアの和名は「青玉(せいぎょく)」。
青いイメージが強いサファイアですが、サファイアは青以外にも様々な色がある宝石です。
パパラチアサファイアの基本情報
屈折率 | 1.762-1.770 |
分散度 | 0.018 |
モース硬度 | 9 |
パパラチアサファイアの色は、ピンクとオレンジの中間色。
ピンクサファイアやオレンジサファイアに分類されずに「パパラチアサファイア」と呼ばれる色のものは希少です。
その希少性の高さから、世界三大希少石のひとつに数えられます。
イエローダイヤモンド
ダイヤモンドの中でも、黄色のものです。
無色透明以外にもダイヤモンドには様々なカラーがあり「ファンシカラーダイヤモンド」と呼ばれます。
ダイヤモンドの名前の由来
ギリシャ語で「征服しがたい・何よりも強い」という意味の「アダマス」が語源です。
ダイヤモンドの和名
ダイヤモンドの和名は「金剛石」です。
イエローダイヤモンドの基本情報
屈折率 | 2.417 |
分散度 | 0.044 |
モース硬度 | 10 |
屈折率・分散度は宝石の中でもトップクラス。
傷のつきにくさの指標・モース硬度は最高の10。
世界的に有名なイエローダイヤモンドは「ティファニーダイヤモンド」があります。
ティファニーダイヤモンドは128.54カラットのイエローダイヤモンド。
現在は、ニューヨークのティファニー本店に展示されています。
最後に
今回は、黄色・オレンジ色の宝石をまとめて紹介しました。
明るく華やかな輝きが楽しめる宝石たちが並びましたね。
✔ このブログの他の宝石・天然石の解説・紹介記事
当ブログでは、他にも宝石・天然石の紹介・解説をしています。
この記事が、宝石選びの参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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