【最古の宝石】ラピスラズリはどんな宝石? 歴史・名前と意味・徹底解説!
今回は、ラピスラズリの解説です。
古代の博物学者プリニウスはラピスラズリを「星のきらめく天空の破片」と言い表しました。
ラピスラズリの美しさにぴったりな表現です。
宝石として非常に長い歴史を持つラピスラズリは、天空を象徴する石、聖なる石として崇められました。
その美しさは古代の人々を魅了し、神秘的な力を持つ石として扱われ、世界中に広まり愛されてきました。
宝石として利用されただけでなく、宗教的な儀式の道具、薬、化粧品、青い顔料としても人類の文化に関わってきたラピスラズリ。
その歴史と神秘を探っていきましょう。
ラピスラズリの名前の由来
ラピスラズリは、深い青色に金色の斑点が入った美しい石です。
古代の世界で「青い宝石」と言えば、ラピスラズリが広く知られていました。
ラピスラズリの名前も「青い石」という意味です。
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ラピスラズリの語源
ラピスラズリという名前は、ラテン語の「ラピス」(石)とペルシャ語の「ラーズワルド」(地名)を組み合わせたものです。
元々「ラーズワルド」はアフガニスタン北東部のバダフシャーン州にあるサレサン鉱山の古い地名で、この鉱山から採れるラピスラズリが世界中に広まりました。
この地名は次第に「青い石」を指す言葉となり、ペルシャ語圏からアラビア語圏、そしてラテン語圏へと伝わりました。
ラテン語では「ラズラム」となり、これがラテン語の「ラピス」と組み合わされて「ラピスラズリ」という現在の名称が生まれました。
ラピスラズリは「青い石」「天空の石」という意味を持ち、これが名前に込められています。
ラテン語の「ラズラム」はフランス語の「アジュール」を始め、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語で「青色」を意味する言葉の語源となっています。
その起源をたどると、ペルシャ語の「ラーズワルド」と、ラピスラズリの産地に行き着きます。
ラピスラズリの和名は「瑠璃」
日本でも、ラピスラズリは「瑠璃」と呼ばれ、「瑠璃色」という言葉はラピスラズリの色に由来しています。
このように、ラピスラズリは「青色を象徴する存在」として、多くの文化と言語に影響を与えてきました。
宝石として長い歴史と「ラピスラズリルート」
ラピスラズリは最も古い宝石の一つであり、その歴史は約9000年前に遡ります。
紀元前7000年頃には、現在のアフガニスタン北東部に位置するサレサン鉱山とその周辺で、すでにラピスラズリの採掘が行われていました。
紀元前7500年から紀元前5000年頃には交易品となっていた
インダス川の西に位置する紀元前7500年から紀元前5000年頃の遺跡であるメヘルガルからもラピスラズリが発見されており、この時代にはすでにラピスラズリが交易されていたことが分かります。
当時の採掘地はサレサン鉱山とその周辺に限られていましたが、そこから世界各地に広がっていきました。
ラピスラズリは山間部の交易路を通り、南はインダス川流域へと運ばれました。
西側には、現在のアフガニスタンやイランを経由する陸路や、インダス川河口付近からペルシャ湾を経由する海路がありました。
紀元前4000年頃のメソポタミア地方(現在のイラク)からもラピスラズリが発見されています。
紀元前3000年頃には、イランの遺跡でラピスラズリの原石や加工の痕跡が見つかっています。この頃になると、ラピスラズリは地中海沿岸やエジプトにも交易品として運ばれていました。
古代文明が栄えた時代にはラピスラズリルートが存在した!
古代文明が栄え始めたインダス、メソポタミア、エジプトでは、ラピスラズリは重要な交易品となり、その交易路は「ラピスラズリルート」として知られるようになりました。
これらの文明の繁栄とともに、ラピスラズリの魅力はますます広がり、その美しさと歴史的価値は今日に至るまで語り継がれています。
古代文明とラピスラズリ
ラピスラズリは、インダス文明の人々にとって重要な交易品の一つでした。
インダス文明では工芸が盛んに行われ、金属、陶磁器、石を使った工芸品がメソポタミアに輸出されていました。
インダス川流域ではカーネリアンのビーズが多数製造され、他にもラピスラズリ、アゲート、ジャスパー、アマゾナイトなどの天然石が加工されていました。
インダス川周辺から、ラピスラズリは舟を使った海路や陸路を通じて、現在のイランの都市で加工されたものや原石がメソポタミアに運ばれました。
メソポタミアでは、ウルの王の墓からネックレスをはじめ、ラピスラズリを使ったさまざまな装飾品が発見されています。
また、メソポタミアの神話では、愛と美の女神イシュタルが冥界下りの際にラピスラズリの護符を身に着けていたと伝えられています。
人類が文明を持つはるか昔から、装飾品は身を飾るだけでなく、悪から身を守る護符としても使われていました。
護符には神などの超自然的パワーが込められており、美しい宝石は護符兼装身具として身につけられました。
メソポタミアでも、ラピスラズリは護符として使われ、命の再生にラピスラズリの力が必要と考えられていました。
王の墓からラピスラズリが見つかっていることから、この宝石がすでに王族や貴族などの富と権力を持つ人々にとって貴重で高価なものであったことがわかります。
古代エジプトではラピスラズリは金と同等の価値があった
エジプトでは、ラピスラズリは非常に貴重で価値のある宝石とされていました。紀元前3000年頃の遺跡からは、ラピスラズリを使用した装飾品や工芸品が発見されています。
その中でも有名なのが、紀元前1350年頃に制作されたツタンカーメン王の黄金のマスクです。このマスクの青色の部分は、ラピスラズリで作られています。
さらに、クレオパトラがラピスラズリの粉末をアイシャドーとして使用していたという伝説もあります。ラピスラズリは冥界の神オシリスの石とされ、ファラオや王族、司祭などの特別な階級の人々が身に着けることができる貴重で高価な石でした。
ラピスラズリは特別な力を持つ石とされ、亡くなった人が冥界で再生するためにその力が必要と考えられていました。そのため、ミイラを埋葬する際には、ラピスラズリで作られた心臓の護符を副葬品として埋め込むことが一般的でした。また、ラピスラズリで作られたスカラベも発掘されています。
スカラベとはフンコロガシのことで、古代エジプトでは糞の玉を転がす姿が太陽を運ぶ太陽神ケプラと同一視され、「再生」「復活」「創造」のシンボルとされていました。
このように、ラピスラズリは美しい色を持つ石であり、王族などの権力者が身に着ける石であり、さらに超自然的な力を持つと考えられていたため、古代エジプトでは金と同等の価値があるとされていました。
ラピスラズリは「最古のパワーストーン」
古代メソポタミアや古代エジプトでは天文学や占星術が発達していました。占星術は天体観測に基づいており、天体の位置や動きが人間や社会に影響を与えると信じられていました。当時、国家や王家の吉凶を占うためにも使われていたのです。
人々は星や惑星の動きを観察し、星座を作り上げました。これらの星座や一等星のような明るい星々は、季節の移り変わりを知らせるだけでなく、方位を知るための道標としても利用されました。
古代の夜は真っ暗な世界であり、夜空に輝く星々のようなラピスラズリは、暗闇を旅する際の道しるべとなり、冥界(あの世)を旅する際の護符としても使用されました。メソポタミアの女神イシュタルが冥界を旅する際にラピスラズリの護符を身につけたことや、エジプトで冥界での再生にラピスラズリの力が必要とされたことも、こうした背景から理解できます。
ラピスラズリは、宗教的儀式において重要な役割を果たしてきました。中世ヨーロッパの魔術師たちも、宇宙の力が宿ると信じてラピスラズリを好んで使用していました。西アジアやエジプトなどのオリエント文明からギリシャ・ローマへと伝わった後も、超自然的な力を持つ石として扱われ続けました。
古代ローマでは、ラピスラズリは魔除けとしてだけでなく、憂鬱症の治療や下剤、媚薬としても使用されていました。中世ヨーロッパでは、病気を治し、傷を癒やす力があると考えられていました。流産防止、痴呆防止、知恵を授ける、雄弁にするなど、健康面や精神面にも効果があるとされていました。また、実際に薬品としても使用されていたようです。
紀元前3000年頃のメソポタミアやエジプトの時代から、ラピスラズリは超自然的な力を持つと信じられ、「最古のパワーストーン」と呼ばれています。
現代では、『天空の城ラピュタ』の飛行石のモデルとなったことで知られています。
また、世界中で毎月1億7000万人がプレイするゲーム「マインクラフト」にも、武器や道具に特殊な力を与える素材としてラピスラズリが登場します。
マインクラフトは採掘、冒険、建設を行うゲームで、多くの子どもたちがプレイしています。そのため、マインクラフトをプレイしたことがある子どもたちは、ラピスラズリを知っていることが多いです。実際のラピスラズリを見せると、子どもたちは大いに喜ぶでしょう。
古代の青い宝石と言えばラピスラズリ
現代では、青い宝石と言えばサファイアを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、古代の人々にとって、青い宝石と言えばラピスラズリでした。
サファイアは紀元前からインドで採掘され、貴重な宝石として扱われていましたが、交易によってギリシャやローマに広まったのはローマ帝国が繁栄していた1世紀から2世紀頃とされています。
一方、ラピスラズリは紀元前3000年頃にはすでに「ラピスラズリルート」を通じて広まっていました。このことから、サファイアが広まったのはラピスラズリよりもかなり後のことと言えます。
旧約聖書の出エジプト記など、紀元前に書かれた書物の中にはサファイアが言及されていますが、これが実はラピスラズリを指していたのではないかと考えられています。
サファイアの名前の由来は、ギリシャ語で青を意味する「サフィルス」やラテン語の「サッピルス」とされていますが、これも元々はラピスラズリを指していたようです。現在の「サファイア」という呼び方が定着したのは、中世ヨーロッパ(5世紀以降)の時代からです。
時が経つにつれて、宝石の品質において「透明度」が重視されるようになり、サファイアが色石(カラーストーン)の中でも重要視されるようになりました。しかし、サファイアが広く知られるようになる前の数千年間、青い宝石と言えばラピスラズリだったのです。
シルクロードを通って東へ、そして日本へ
これまでアフガニスタン周辺から西へのラピスラズリの歴史を見てきましたが、今回は東への旅路を辿ってみましょう。
ラピスラズリはシルクロードを通じて東方にも運ばれました。この交易路が開かれたのは、紀元前114年頃に漢王朝が中央アジアに進出し、現在の中国から西アジアやインド方面への道が開かれたことに始まります。
中国で生産された絹織物が中央アジアを通り、さらに西アジアやヨーロッパまで運ばれました。このシルクロードは、物品だけでなく、東西の芸術、宗教、文化も結びつけました。ラピスラズリもアフガニスタンの鉱山からシルクロードを通じて東へと運ばれ、中国では青金石や紺玉と呼ばれるようになりました。
仏教はインドで生まれ、現在のパキスタンからアフガニスタンにかけて栄えたガンダーラを経由し、シルクロードを通じて中国に伝わり、日本にも到達しました。
仏教には貴重な七種の宝「七宝」がありますが、ラピスラズリはその一つに数えられ、日本では「瑠璃」と呼ばれるようになりました。サンスクリット語の「バイドゥールヤ(Vaidurya)」が「毘瑠璃(びるり)」「吠瑠璃(べいるり)」と音訳され、略して「瑠璃」となったのです。
現在もラピスラズリの和名は「瑠璃」です。瑠璃は仏様とも深い関係があります。例えば、薬師如来の正式名称は薬師瑠璃光如来であり、その浄土は「東方浄瑠璃世界」と呼ばれ、その清浄さが瑠璃に例えられています。
日本にはアフガニスタン産のラピスラズリがもたらされ、正倉院の宝物には「紺玉帯(こんぎょくのおび)」というラピスラズリをあしらった皮のベルトがあります。これらの宝物は奈良時代や平安時代のもので、つまり1000年以上前にはラピスラズリが日本に伝わっていたのです。
ラピスラズリは、メソポタミアやエジプトでは超自然的な力を持つ美しい石として神聖視され、仏教世界では七宝の一つであり、薬師如来の浄土の象徴とされてきました。世界各地で崇められてきたラピスラズリの歴史は、まさに壮大なものです。
顔料「ウルトラマリン」の原料
ラピスラズリは顔料としても長い歴史があります。6世紀頃のアフガニスタンでは、ラピスラズリを使って洞窟画が描かれており、西暦1000年頃にはインドや中国、ヨーロッパでも壁画や絵画に使用されていました。
14世紀から16世紀のルネサンス時代のヨーロッパでは、ウルトラマリンという名前で広く使われるようになりました。ウルトラマリンとは「海を越えてきた」という意味で、アフガニスタンから地中海の海路を通じてヨーロッパに輸入されたことに由来します。
ウルトラマリンは、ラピスラズリを粉末にして作る絵の具ですが、非常に高価でした。
製造には多大な手間がかかります。
まずラピスラズリを粉砕し、粉状になるまですりつぶします。その後、水を加え、不純物を含んだ上澄みを捨て、沈んだ高純度の青色粒子を取り出します。この作業を繰り返してウルトラマリンが完成します。
ラピスラズリの粉末に樹脂を加えて塊にし、それをアクの中でこねることで不純物や無色の結晶を除き、青色の粒子だけを取り出す製法もあります。
ラピスラズリから採れるウルトラマリンの量は、全体の2%から3%と言われています。つまり、100キログラムのラピスラズリからわずか2~3キログラムしかウルトラマリンを得られないのです。
ラピスラズリは遠くアフガニスタンから陸路や海路を経て輸入される貴重な鉱物であり、ウルトラマリンの製造にも多大な手間がかかるため、非常に高価でした。ウルトラマリンは普通の絵の具の100倍の値段がし、時には金よりも高価になることもありました。それにもかかわらず、当時の芸術家たちはその美しさと持続性を評価し、ウルトラマリンを珍重しました。
当時、ウルトラマリン以外の濃く深い青色の顔料には、アズライト(藍銅鉱)を粉末にしたマウンテンブルーがありました。
しかし、マウンテンブルーは退色しやすく、時間が経つと緑色のマラカイト(孔雀石)に変わってしまう欠点がありました。
一方、ラピスラズリの青色は色褪せることがなく、ウルトラマリンとして使用してもその美しい青色を保ちます。
そのため、ウルトラマリンは特に宗教画に多く使われました。キリスト教では青色が「天の真実」を象徴する色とされ、聖母マリアのマントなどにウルトラマリンが使われました。
フェルメールは『真珠の耳飾りの少女』や『牛乳を注ぐ女』などの作品にウルトラマリンを使用しており、彼の作品は「フェルメール・ブルー」として知られています。フェルメールは裕福な義母やパトロンの支援を受けて、高価なラピスラズリを多く使用することができました。
1828年に合成ウルトラマリンが開発され、安価で入手可能になったことで、天然のラピスラズリからウルトラマリンを作ることは少なくなりました。しかし、現代でも伝統的な製法で作られた高純度の天然ウルトラマリンは製造・販売されており、1グラムあたり6000円以上する高級絵の具として扱われています。
ラピスラズリの成分・鉱物データ
ピスラズリは複数の鉱物から成り立っています。
主な成分はラズライト(青金石)、ソーダライト、アウイナイト、ノーズライトの4つの鉱物であり、これらが溶け合って均一な組成となっています。
このように複数の物質が溶け合って均一な状態になっているものを固溶体と呼びます。
金色の斑点はパイライト(黄鉄鉱)から、白い部分はカルサイト(方解石)が混ざっています。この組み合わせは、ラピスラズリに独特の美しさを与えています。
ラピスラズリは宝石や天然石に興味のある人々にとって馴染み深いものです。その中でも、ラズライト(青金石)が最も割合が多く、全体の25%から40%を占めています。また、アウイナイトは美しさと高い希少性から人気があります。
この石の特徴としては、青の鮮やかさが挙げられます。これは、ラズライトやアウイナイトの含有量によって影響されます。また、ラズライトには硫黄が含まれるため、研磨作業やウルトラマリンの製造時には硫黄臭がすることがあります。
ラピスラズリの物性としては、屈折率が1.50、モース硬度が5から5.5、比重が2.38から2.45となっています。
モース硬度が低いため傷がつきやすいですが、加工はしやすい特性があります。ただし、化学薬品や酸には弱いので、取り扱いには注意が必要です。
特にアクセサリーとして使用する場合は傷つけないように注意し、汗や汚れが付着した場合は水で洗って丁寧に水分を拭き取ると良いでしょう。
ラピスラズリの産地
ラピスラズリは主にアフガニスタン、ロシア、チリの3か所が有名であり、「三大産地」として知られています。
古くからの産地 アフガニスタン
特にアフガニスタンのバダフシャーン州は古くからラピスラズリの産地として知られており、18世紀にロシア、19世紀にチリでそれぞれラピスラズリの鉱脈が発見されるまで、アフガニスタン北東部が唯一の産地でした。
この産地の限定性が、ラピスラズリの希少性を高める一因とされています。長い間、アフガニスタン北東部のラピスラズリ鉱山は厳重に管理され、重要な交易品として扱われてきました。
歴史的にも注目される産地であり、19世紀まで外国人がこの鉱山を訪れたのは、モンゴル帝国のフビライ・ハンとマルコ・ポーロ一行だけとされています。
現在でもアフガニスタン北東部ではラピスラズリの採掘が続けられており、高品質のものが産出されています。
ロシア産のラピスラズリ
一方、ロシアでは18世紀から19世紀にかけてラピスラズリの鉱脈が発見され、現在はシベリア地方のバイカル湖周辺で採掘されています。ロシア産の特徴は、色が暗くパイライトが少ないことです。
チリ産のラピスラズリ
チリでは1905年頃からコキンボ地域でラピスラズリが採掘されており、チリ産の特徴としては、パイライトが多く含まれる傾向があります。
その他の産地
他にもカナダ、アメリカ、イタリア、タジキスタン、ミャンマーなどで採掘されますが、実際に流通しているものは主にアフガニスタン、チリ、ロシアのものが中心です。
ラピスラズリの石言葉・パワーストーンとしての効果
ラピスラズリは「幸運、真実、健康、成功の保証、克服、知性、崇高、永遠の誓い」という石言葉を持っています。
広く知られている効果としては、幸運をもたらすだけでなく、魔除けや邪気払いの効果もあります。また、洞察力と知恵をもたらし、真実を見極める力をサポートし、心の平穏や身体の健康をもたらすと言われています。
ラピスラズリは長い歴史を通じて様々な効果が伝えられており、現代でも幅広い分野での効果が期待されています。金運、恋愛、仕事、勉強、人間関係、邪気払い、ヒーリング効果、全体的な幸運など、多岐にわたる効果を持つとされています。
また、最古かつ最強のパワーストーンとして知られる一方で、試練を与えるとも言われています。
石言葉の「成功の保証」には、試練を乗り越え成長する力を与える意味も含まれています。
ラピスラズリは古代から聖なる石として崇められ、愛と美と豊穣の女神と結び付けられてきました。このため、永遠の誓いという石言葉もあります。
その万能の力と高い人気から、現代でも幸運を引き寄せるパワーストーンとして愛されています。
誕生石としてのラピスラズリ
ラピスラズリはアメリカや日本では12月の誕生石として知られています。
日本の誕生石を定めている全国宝石卸商協同組合によると、12月の誕生石にはラピスラズリの他にタンザナイト、ターコイズ、ジルコンの4つの青い宝石が含まれています。
誕生石の選定は国によって異なり、イギリスやオーストラリアではラピスラズリはサファイアとともに9月の誕生石とされています。この違いは、青い宝石の代表として新旧の認識によるものです。
日本でもラピスラズリは9月と12月の誕生石として扱われることもありますが、これはイギリスやオーストラリアの誕生石の影響を受けています。
9月に生まれた人であってもラピスラズリを好む方は、イギリスやオーストラリアの慣習に従ってラピスラズリを誕生石として選ぶこともありますね。
ラピスラズリの価格・価値
高品質なラピスラズリは、色が濃く均一であることが重視されます。紫がかった青やミディアムダークの青が良いとされ、緑がかったものや白い部分のカルサイトが入ると価値が低くなります。
ジュエリーに使用される場合、色が濃くて均一で、白い部分がない高品質なラピスラズリが好まれます。
ただし、金色に輝くパイライトの入り方は評価が分かれます。ほとんどパイライトが入らないものが高く評価されますが、適度に美しくパイライトが入っているものも高い評価を得ます。逆に、パイライトが過剰だと価値が下がります。
ジュエリーとしては、色の均一性やカルサイト、パイライトの入り方が価格に影響します。しかし、鉱物や天然石、パワーストーンとしては、個人の好みも重要です。青と白のコントラストや、パイライトのキラキラ感が好きな人もいます。
ご自身が気に入って長く愛用できるものを探してみてください。
偽物・加工されたラピスラズリについて
人気のあるラピスラズリは、天然ではなく加工された偽物が市場に出回っています。
主な偽物としては、石の粉を樹脂で固めた「練ラピスラズリ」、白いハウライトを染色した「ハウライトラピスラズリ」、そして表面にラピスラズリの板を貼り付けた「張り」などがあります。
同様に、ターコイズにもハウライトを染色した「ハウライトターコイズ」が存在します。
安価で色が過剰に鮮やかなものや、色合いが不自然な場合、偽物の可能性が高いです。
また、染色されたラピスラズリも見受けられます。販売店には「染色」「練」「ハウライト」といった名称がしっかりと表示されている場合もありますので、購入前に確認することが大切です。
染色されているかどうかを確認するには、除光液を使用して色が落ちるかどうか確認する方法がありますが、本物と偽物の区別や加工の有無を確実に知りたい場合は、鑑別機関に鑑定を依頼するのがベストです。
最後に
今回の説明では、ラピスラズリがどのような宝石であるかについて詳しく説明しました。
ラピスラズリは古代から聖なる石として崇められ、神や宗教とも結び付けられてきました。また、芸術の世界でも多くの人々を魅了してきました。
この宝石は、世界各地で尊ばれ、その歴史の長さは他の宝石にはないものです。今回の動画では、ラピスラズリの歴史に焦点を当てましたが、その歴史と人類の文化との関わりは宝石・天然石の中でも特に重要です。
古代の人々がどのようにラピスラズリと関わっていたかを想像しながら、その美しさと壮大な歴史ロマンを感じることができます。
ぜひ、実際に目で見てラピスラズリの美しさや、夜空を思わせる輝きを楽しんでいただきたいと思います。
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