セブンイレブンが保育所を開設、全国に広がる可能性を考える

2017年10月30日

セブンイレブンが保育所をオープンします。

今秋(2017年)、東京と広島市の2ヶ所に店舗に併設して保育所を開設。

全国展開しているセブンイレブンが保育所を開設することに大きな期待をしてしまうのは私だけでしょうか。

セブンイレブンが保育所を開設

赤ちゃんの手と大人の手

セブンイレブンが東京都大田区・広島市の2箇所で保育所を開設します。

2017年9月~10月にオープンします。

セブン―イレブン・ジャパンは10日、コンビニエンスストアの店舗で働く店員向けに保育園の設置を始めると発表した。まず9~10月にかけて都内と広島市内に2カ所設け、順次広げる方針だ。子育て世代の人が働きやすい環境を整え、主に女性を店員として採用しやすくする。人手不足感の高まりに対応する。

情報源: セブンイレブン、コンビニ店員向けに保育園 今秋まず2カ所  :日本経済新聞

店舗の2階に保育所を開設して、定員は東京都大田区では30人。

広島市では19人。

名称は

「セブンなないろ保育園」

対象は0歳~2歳となっています。

店員向けの保育所ですが、地域の住民が利用できる枠も儲けるようです。

利用時間は午前8時~午後8時。

利用料金は国の助成金の活用やセブンイレブンが一部費用を負担することで「地域の水準より安くする」と発表されています。

これは、セブンイレブンで働くことでの福利厚生として利用料金の一部を負担してくれるということでしょう。

なぜセブンイレブンが保育所をオープンするのか

セブンイレブンなどのコンビニ業界に限らず、労働力不足・人手不足という現状があります。

少子高齢化・労働人口の減少により、労働力不足・人手不足はこれからドンドン深刻化していく問題です。

その人手不足を解消するために、子育て中の女性達を店員さんとして確保しようということで店舗に併設して保育所を開設。子どもを預かり、お店で店員さんとして働いてもらうことです。

ヤクルトでは以前から託児所があって、ママさん達が子どもを預けて仕事をするというシステムがすでに構築されています。

今回のセブンイレブンの保育所オープンはコンビニ業界では一番手となります。この動きはセブンイレブンに限らず、ファミリーマートでも2018年春に店員向けの保育所を開設する動きがあるようです。

全国展開するセブンイレブンが保育事業に参入。全国にセブンなないろ保育園ができる可能性

今回のセブンイレブンの保育事業の参入。

2ヶ所からのスタートで試験的な部分もあると思います。

今回開設される東京都大田区と広島市の保育所が好評で、事業展開をし始めたらどうなるのでしょうか。

全国規模で展開している企業が保育事業に参入するということは、全国展開する可能性があるわけです。

セブンイレブンは全国に19860店舗。

全店舗に保育所が併設されることは無いでしょうが、数店舗に1つの保育所があればそこに子どもを預けて働くことができます。

セブンイレブンで働かなくても、地域住民の方の利用枠もあるわけで、待機児童問題で働きたくても働けない子育て中の女性にとっては選択肢が増えることになります

今回開設の保育所は0歳~2歳が対象ですが、3歳以上の幼児も見てくれるようになる可能性も十分あります。

セブンイレブンにとっては、この保育事業参入は店舗の人手確保の他に、待機児童問題の解消という社会問題の解決の一端を担う社会的意義があります。

2ヶ所からのスタートのセブンなないろ保育園が全国各地に広がるかもしれません。

最大の課題は保育士の確保か。潜在保育士の数は76万人

ベビーカーを押しながら子どもをあやす人

最大の課題は保育士の確保です。

待機児童問題でも保育士の数が足りていないことは大きなポイントになっています。

「保育園で確保できていない保育士をどうやって確保していくのか」ということが最大の問題になります。

保育園で働く保育士の数が足りていないのは実状ですが、保育士の資格を持っていても実際に保育現場で勤務していない潜在保育士日本に76万人います。

保育士登録者数は約119万人、勤務者数は約43万人であり、潜在保育士(保育士資格を持ち登録されているが、 社会福祉施設等で勤務していない者)は約76万人

厚生労働省保育士等に関する関係資料(平成27年12月4日)より

過酷な労働環境・低賃金・保護者との関わりなど、保育士の資格を持っていても保育現場で働くことを選ばない人が多いのが実態。

今秋のセブンイレブンの保育所開設と2018年のファミリーマートの保育所開設予定。全国展開している企業が高収入・高待遇で潜在保育士を確保することも考えられます。

国や地方自治体より動きは早く大きなものになるかもしれなません。

働く保育士にとっても職場環境や報酬面で魅力的な職場をつくることができれば、コンビニ企業の保育事業は瞬く間に全国に広がることも考えられます。

企業の事業なので、赤字が続けば撤退することになるでしょう。しかし、今回のセブンイレブンの保育事業参入は、労働力の確保と待機児童問題の解消という社会問題を解消する大きな動きになり得るものです

まとめ

コンビニ業界に限らず、人手不足になやむ介護業界などでも職場に保育所・託児所があれば働きたいという子育て中の人は多いはず。

保育所がある職場は、子育て中の親にとっては魅力的な職場です。

自分の職場で子どもを預けながら働くことができれば安心して働けます。

企業側から見ても、働きたい子育て中の女性を労働力として確保できるメリットがあります。

待機児童問題が解消されない状況の中で、行政よりもよっぽどセブンイレブンの保育事業に期待してしまうのは私だけでしょうか。

セブンイレブンが保育事業を軌道に乗せ継続すれば、その動きは他社・他業種にもドンドン広がる可能性があります

まだ始まったばかりですがこの先どうなっていくか注目です。